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2006年3月号 LLPのメリットを活かして
昨年2005年の8月に有限責任事業組合法が施行されました。この法律により日本にはなかったLLPという新しい事業体が誕生しました。 LLPにはこれまでの株式会社等にはない様々な特徴があります。個人と法人の共同事業などにより、個人の有する人的資産の活用をはかることで、 今後の日本の経済活力の向上が期待されています。
1.LLPとは?
LLPとは、英語のLimited Liability Partnershipの略称で、Limited(有限)、Liability(責任)、Partnership(組合)、つまり有限責任事業組合のことです。LLPは株式会社や有限会社のような事業体の1つです。
すでに欧米で成功している制度であり、これを見習い日本では昨年制度化されました。LLPは株式会社のように設立手続きに時間をかけず、出資者が自由に組合員契約書を作成、出資、登記という簡単な手続きのみで新規事業を立ちあげることができます。
LLP制度により、利益配分や議決権比率などの制約を排除したうえで人的資本を活用することができるのです。
2.LLPの特徴
LLPの特徴は、大きく3つあります。
(1)有限責任
株式会社における有限責任と同様に、LLPも組合員は自分の出資額の範囲でしか事業上の責任を負わない有限責任です。これにより、出資者の事業上のリスクは限定され、新規事業をはじめやすいというメリットがある一方、債権者にとってはリスクの高い事業体ということができます。
(2)構成員課税
LLPでは、株式会社などとは異なり、LLPの利益自体に直接課税されることはなく、利益の配分を受けた組合員に直接課税されるため2段階課税になることはありません。これを構成員課税といいます。また、LLPが赤字になった場合には、出資額をベースに一定の範囲内で組合員の他の所得と損益通算ができるのです。
(3)内部自治原則
株式会社は株主総会の開催、取締役会や監査役の設置等が商法で義務づけられ、組織的ルールに縛られています。しかしLLPは業務分担や権限、内部的決定事項について組合員全員の同意の下であれば自由に決定することができます。また株式会社では持株比率の高い株主が経営権を握るのが常ですが、LLPでは投資のみをおこない事業には参加しない者は排除されており、業務執行は全組合員が行う権利義務があります。
損益の分配も出資比率に応じる必要はなく組合員が損益の分配比率を決めることもでき、資金力ではなく技術力に応じて損益を分配するということも可能になるのです。
3.LLPの活用
LLPの活用方法として以下の事例をあげてみます。
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ABC有限責任事業組合は創薬開発の共同研究を行っています。A氏は高い技術力を有した研究員です。B社は研究開発設備、C社は資金の提供及び開発後の生産・販売をおこないます。
このような研究開発においては、技術力はあるが資金力の乏しいA氏がB社及びC社と同じ発言力を持つことは、株式会社方式では困難でしたが、LLPでは議決権を同じにすることが可能となるのです。
またLLPでは、損益分配率をあらかじめ全員で決めることができます。さらに途中でその率を変更することも可能なので、とても柔軟な対応が可能というメリットもあります。
この場合、A氏は少ない出資で、自分の技術を生かしかつ分配を受けることが可能になります。またB社及びC社もA氏の技術力を活かしつつ自ら資産を有効に活用し、利益分配を受けることが可能になります。
4.さいごに
今年5月に施行される会社法では合同会社(日本版LLC)が新設されました。LLCは、LLPと同様に有限責任、議決権及び損益分配が自由という特徴があります。
しかし、LLCはあくまで法人格を持った会社組織であるため、利益はLLCに直接課税され、また共同事業要件も無いため出資のみでも構いません。さらに会社組織ですから将来、株式会社に組織変更して株式公開を目指すことも可能です。
このようなLLPとLLCの違いを理解したうえで、欧米のLLPの活用方法なども参考にして、LLPのメリットを活かす事業を検討してみてはいかがでしょうか。
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