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2006年4月号 外国人労働者の雇用について
「外国人の方を採用することになりましたが、何か特別な手続きはありますか?」 最近、このような問い合わせを頻繁に受けるようになりました。
平成17年12月厚生労働省発表の「外国人雇用状況報告」によれば、報告書提出事業所に占める外国人雇用事業所の割合が前年に比べて2.6%増加し、特に東アジアからの外国人労働者の増加傾向が強まっています。
そこで今回は、外国人労働者の雇用について、特に留意すべきポイントを4つ紹介したいと思います。
1.在留資格、在留期限の確認
日本国内に在留する外国人の方については、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)で定められている在留資格によって、就労の可否が決まり、以下の3つに分類することができます。
| 1. | 在留資格に定められた範囲内で就労が認められる在留資格 教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能 |
|---|---|
| 2. | 原則として就労が認められない在留資格 文化活動、短期滞在、留学、就学、研修、家族滞在 ※ただし、留学、就学、家族滞在の在留資格で在留する場合、資格外活動の許可を受ければ、短時間のアルバイト等は行うことが可能です。 |
| 3. | 就労活動に制限がない在留資格 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者 |
就労が認められない在留資格で就労することは当然違法です。
どのような在留資格を持っているのかについては、外国人が居住する市区町村で、申請に基づいて交付される外国人登録証明書やパスポートの上陸許可証印等により、確認することができますので、面接等の段階で必ず在留資格および在留期限の確認を行ってください。
確認を怠ってしまったがために、就労が認められない在留資格の外国人や在留期間を超えて在留している外国人に就労させるようなことになってしまいますと、不法就労を助長したとして、入管法第73条の2第1項の罪により、使用者が3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられますので注意が必要です。
2.雇用保険の加入
在留資格や在留期限を確認後、正式に雇い入れとなった場合には、国籍を問わず雇用保険の加入手続きが必要で、1週間の所定労働時間が30時間以上であれば被保険者となります。
また、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満で、かつ、1年以上雇用の見込みがあれば、パートタイマーやアルバイトであっても被保険者となりますので、必ず手続きを行いましょう。
なお、労働者が退職し失業の給付を受けようとして初めて、実は事業主が加入手続きを行っていなかったということになりますと、トラブルになり兼ねませんので注意が必要です。
3.社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入
社会保険も雇用保険と同様、国籍を問わず加入手続きが必要です。
加入の基準は所定労働時間にもよりますが、1日8時間、週5日勤務のような場合はもちろん、1日または1週間の所定労働時間が、一般の正社員と比べておおむね4分の3以上であれば、社会保険の適用事業所で働く従業員は被保険者となりますので、必ず手続きを行いましょう。
なお、社会保険の手続きでは被扶養者がいる場合、従業員の加入手続きと同時にその被扶養者の加入手続きも行いますが、日本人労働者との取り扱いが異なる点として、国によっては夫婦別姓の場合がありますので、配偶者であることが確認できる書類として市区町村発行の「登録原票記載事項証明書」の添付が必要となります。
4.脱退一時金と社会保障協定
3.で説明しました通り、社会保険への加入は所定労働時間によって義務付けられたものですが、中でも厚生年金保険については、加入義務はあるものの加入期間が短ければ将来の年金受給につながらないと考えられることから、外国人労働者にとっても、また保険料を半額負担する事業主にとっても、加入への理解がなかなか得られないという問題があります。
そこで、短期的に日本に滞在した外国人の保険料掛け捨て防止の意味合いで、厚生年金保険には脱退一時金という制度があります。
脱退一時金は、厚生年金保険の被保険者であった期間が6月以上である日本国籍を有しない者が、老齢厚生年金の受給資格を満たしていない場合、出国後2年以内であれば請求することができます。
また、外国人労働者だけでなく、諸外国で活躍する日本人労働者の増加により、近年問題となっているのが、諸外国での年金制度による保険料掛け捨てや、両国の社会保険制度への二重加入であり、これらを解決する目的で、諸外国との社会保障協定が締結されています。
平成18年2月現在、日本と諸外国との社会保障協定締結状況は下記のとおりで、現在オーストラリア、オランダとも交渉中です。
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これにより、外国人の一時的(社会保障協定では5年とされています。)な日本での就労については、いずれか一方の国の社会保険制度にのみ加入すればよく、国によってはそれぞれの国での年金加入期間が通算されるようになりましたので、該当する場合には手続きが必要です。
ただし、前述の脱退一時金を請求した期間については年金加入期間として認められませんので、年金加入期間の通算が可能な場合には、一時金として請求するか加入期間として通算するか、慎重に選択する必要があります。
なお、年金制度への加入を免除されるための手続きには、自国での年金制度への加入を証明する書類(適用証明書)等が必要です。
詳しくは最寄りの社会保険事務所または社会保険庁のホームページでも確認することができます。
以上、外国人労働者を雇用する際に留意すべきポイントを説明しました。
手続きの際に若干添付書類が必要となる場合がありますが、雇用保険や社会保険の加入基準については国籍によって何ら異なるものではありません。
また、今回は採用時の手続きを中心に説明しましたが、外国人労働者であっても日本国内で就労する限り、労働基準法等の適用を受けることに変わりありませんので、適正な労働条件の確保に努め、労働者の持つ能力が十分に発揮できるよう、職場環境の整備を進めていくことも大切です。
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