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2006年6月号 「リスクマネジメント」で損害を最小化する
「あの時、対策をしていれば…」
小さなトラブルがいつの間にか大事になってしまう。そんな経験ありませんか?
例えば・・・早い段階で対策を実施していればここまで損害が広がらなかったかもしれません。そもそも事前に対策していればトラブルさえも起きなかったかもしれません。
それでは、トラブルの発生を防ぎ、損害を最小化するために、何をしなければいけないのでしょうか?
まず必要なことは、トラブルが発生する可能性(リスク)を明らかにすることです。次に、明らかにされたリスクの大きさを算出し、リスクの大きさに応じた対策を行います。
このような一連のプロセスにより、トラブルを防止し、損害を最小化する事を「リスクマネジメント」といいます。
今回は、「リスクマネジメント」を実施するための、「リスクの洗い出し技法」と「リスク対策」をお示ししたいと思います。
リスクの洗い出し
リスクマネジメントのためには、まず企業内に潜在しているリスクを洗い出します。 リスクの洗い出し技法は様々ありますが、今回は最もよく活用される4つの技法を紹介します。 技法には、それぞれ一長一短ありますが、それらの技法を組み合わせることで、短所を補うことができます。
【リスクの洗い出しの技法】
| 1 | : | チェックリスト方式 |
|---|---|---|
| 2 | : | グループディスカッション方式 |
| 3 | : | アンケート方式 |
| 4 | : | フローチャート方式 |
1.チェックリスト方式
あらかじめ想定されるリスク項目を記載したチェックリストに、現場の担当者がYES/NOやコメント等を記入することで、リスクを洗い出す技法です。
この技法の長所は、他の技法に比べ短時間で作業を終了でき、また従業員や経営陣のリスクに対する意識を高めることもできます。しかし、チェックリストに記載されていない潜在的なリスクを見落す可能性があるといった短所があります。
2.グループディスカッション方式
社内の業務や事業に精通したグループにより議論を行い、リスクを洗い出す技法です。
この技法は、大人数で実施すると一部の人しか意見が出なかったり、まとまらなかったりするので4~5人程度で実施するのがポイントです。
この技法の長所は、企業固有の潜在的なリスクを洗い出しやすいという点です。しかし、大きな組織で網羅的に実施する場合、ディスカッショングループを複数編成しなければならず、延べ作業時間が増えるという点が短所です。
3.アンケート方式
関係者全員に配布した調査票にリスクを記入してもらうことにより、包括的なリスクの洗い出しを行う技法です。
この技法は、包括的にリスクの洗い出しが実施できる長所がありまずが、記入されるリスクが非常に多く、重複部分の除去や、表現の調整などの取りまとめ作業に時間がかかるといった短所があります。
4.フローチャート方式
業務フローから業務プロセスを確認しリスクを洗い出していく技法です。
この技法は業務プロセスを確認しながらリスクを洗い出すので、リスクを想定しやすいという長所があります。しかし、業務フローがない場合や、業務フローが古く現状の業務から大きくかけ離れている場合は、業務フロー作成に多くの時間を割かれるといった短所があります。
リスク対策
洗い出されたリスクの規模、発生の可能性等を検討し、その対策を考えます。リスク対策には次の4つの方法があります。
【リスクの洗い出しの技法】
| 1 | : | リスクの受容 |
|---|---|---|
| 2 | : | リスクの回避 |
| 3 | : | リスクの移転 |
| 4 | : | リスクの低減 |
1.リスクの低減
「リスクの受容」には主に2パターンあります。1つはリスクが発生しても問題にならないと判断した場合に、そのリスクを受容するパターン。もう1つはリスクの低減策を実施した上で、残ってしまうリスクを受容するパターンがあります。
「リスクマネジメント」では、リスクを受容する基準を設け、その基準を下回った場合には受容、上回った場合には対策を実施するのが一般的です。
2.リスクの回避
事業からの撤退など、リスクの発生要因を取り除くことを「リスクの回避」と呼びます。利益と損失を比較し、損失があまりにも大きい場合に選択されます。
新規事業への参入を検討する場合に、そのリスクを正しく計測し「ハイリスク ローリターン」と判断される場合に参入を断念するケースが該当します。
3.リスクの移転
保険への加入や業務の外部委託など、リスクを外部組織に移転することを「リスクの移転」と呼びます。自らの組織で実行するよりも、専門知識を有する外部にアウトソーシングすることなどがこれに該当します。
ただし、業務委託契約書等でリスク発生時の責任の所在を明確にしないと、リスクを移転したつもりが、結局自社でリスクを負うことになってしまうので注意が必要です。
4.リスクの低減
業務フローから業務プロセスを確認しリスクを洗い出していく技法です。
この技法は業務プロセスを確認しながらリスクを洗い出すので、リスクを想定しやすいという長所があります。しかし、業務フローがない場合や、業務フローが古く現状の業務から大きくかけ離れている場合は、業務フロー作成に多くの時間を割かれるといった短所があります。
最後に
企業の存続を脅かすリスクを防止し、最小化するために、「リスクマネジメント」は非常に重要です。 今回は、「リスクの洗い出し」と「リスク対策」を紹介しました。「リスクを正しく認識し、適切に対応すれば、「リスクマネジメント」が可能になります。
みなさんで自社のリスクに関して話し合い、取り組みをスタートさせてみてはいかがでしょうか。
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