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2008年11月号 株券電子化とその影響について
今回は、2009(平成21)年1月から実施予定の株券電子化とその影響について確認をしてみたいと思います。
1.株券電子化の概要
2004(平成16)年の通常国会で株券の電子化(株券不発行制度)に関する法律が成立し、同年6月9日に公布されました。2009年1月から実施されることになります。株券の電子化は株主の意思に係わらず、法律に基づき一斉に実施されます。株券電子化により、上場会社の株式等に係る株券をすべて廃止し、株券の存在を前提として行われてきた株主権の管理を、証券保管振替機構及び証券会社等の金融機関に開設された口座において電子的に行うこととなります。
現在においても株式保管振替制度の活用により、株券そのものの受渡しや保管等の管理を株主自身が行わなくても売買や株主権の行使をすることができます。また、株券を株主自身で管理し、株券の受渡しを株主自身が行う売買等も認められていますが株式の譲渡や管理に当たり様々なリスクや非効率性が指摘されています。
2006年3月末時点で、国内上場企業の発行済み株式数の4分の3に当たる約2,784億株は証券保管振替機構に預託されています。これに対し、古くからの個人投資家が所持する株券や、遺産相続したものについてはそのまま手元に置いているケースも少なくなく、約180億株、時価換算で30兆円に達すると見られています(図表1)。
今後は新たな株式保管振替制度により株券電子化が実施され、電子的な管理に統一されることになります。
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2.株券電子化のメリット
(1)株主のメリット
| 1 | : | 株券を手元で保管すること等による紛失や盗難、偽造株券取得のリスクが排除されます。 |
|---|---|---|
| 2 | : | 株式売買の際、実際に株券を交付・受領したり株主名簿の名義書換申請を行う必要がなくなります。 |
| 3 | : | 発行会社の商号変更や売買単位の変更の際に、株券の交換のため、発行会社に株券を提出する必要がなくなります。 |
(2)発行会社のメリット
| 1 | : | 株主名簿の名義書換に当たり株券が偽造されたものでないか等の確認を行う必要がなくなります。 |
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| 2 | : | 株券の発行に伴う印刷代や印紙税、企業再編(企業間の合併や株式交換、株式移転など)に伴う株券の回収・交付のコスト等が削減できます。 |
3.株券電子化により株主が必要な手続き
株券電子化の実施に際して、すでに証券保管振替機構に預託されている株券については、一斉に新たな株式保管振替制度に移行できるように措置されているため、株主が別段の手続きをとる必要はありません。
一方、自宅や貸金庫などご自身で管理されている株券については、移行日における株主名簿上の株主の名義で、発行会社により設定される「特別口座」において管理されることになります。「特別口座」で管理される株式は売却する際、証券会社等の取引口座へ株式を振り替える必要があります(手続きに必要な日数等は、現時点では不明ですが相当数程度かかる予定です)。
株券電子化の実施により株式の権利を表章するという株券の効力は無効となりますので、株券電子化が実施される日までに株券を所有者本人の名義に書き換えておかないと、本人以外の名義の特別口座で管理されることになります。この株式の名義を本人名義に書き換えるには煩雑な手続きが必要になり、また、名義上の株主が勝手に株式を売却してしまうことなどにより、株主としての権利を失うおそれもあります。
以上の理由によりご自身で管理されている株券については証券会社等を通じて証券保管振替機構に預託するか、株券の名義を本人名義に書き換えておく必要があります(図表2)。
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証券保管振替機構に預託する場合、法律上の期限は12月19日までですが、受け入れ期限は各証券会社によって異なります。主な証券会社の受け入れ期限は図表3の通りです。
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| ※ | 支店によって期限が異なる場合もありますので詳細は各証券会社にご確認ください。 |
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4.株券担保権者が必要な手続き
株券電子化により担保に差し入れられている株券の効力も無効となります。しかし、次のような方法などにより、株券電子化後も株式担保を続けることができます。
(1)株券電子化前に保管振替機構に株券を預託する
質権者が質権設定者である株主と協力して(委任を受けるなど)、証券会社等に株主の口座を開設の上、その口座に株券の預託を行います。
さらに、質権者が株主と同一の証券会社等に開設した質権口座へ株式の振替をすることで、保管振替制度での質権が確保できます。保管振替制度での質権は、株券電子化後の質権として引き継がれます。
| ※ | 一斉移行日の1ヶ月前の日から2週間前の日の前日までの間は、質権者が単独で証券会社に対して株券の預託を請求することができる特例が設けられていますが、その場合には、証券会社等において株主の名称・住所等の管理が困難となる、株式の返戻先の口座がない等の問題が生じるため、実務的には株主と協力して株券を預託することが必要になります。 |
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(2)株券電子化前に株券が担保に差し入れられていることを株主名簿に登録する
質権を設定した者から発行会社に対して質権者の名称・住所を株主名簿に記載するように請求することで質権を登録します。株券電子化時には、質権者名義の特別口座が開設されます。
| ※ | 一斉移行日の2週間前の日から前日までの間は、質権者も自らの名称等を単独で株主名簿に記載するよう発行会社に対して請求をすることができます。 |
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5.まとめ
個人で株券を所有し、証券保管振替機構に預託しない場合、売却するのに時間がかかることが想定されますので期限内に手続きすることが賢明です。また、期限が迫ると証券会社の窓口も混雑することが予想されますので早めの対応が必要です。
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