チーム全員の力で、最大の成果を。スポンサー企業とのマッチングにより事業の再生を図る。

サービス
M&A・グループ再編 , 企業再生
課 題
事業の再生
業 種
メーカー

食品メーカー
A社

課題

慢性的な赤字体質から脱却できず、債務超過の状況に。資金ショートが間近に迫り、自力での再建が困難な状況に陥る。

施策

M&Aコンサルタント、公認会計士、税理士、事業再生コンサルタント、社会保険労務士、司法書士、弁護士によるチームを結成してA社の事業再生を全面的にバックアップ。民事再生手続の申立を経てスポンサーに事業を承継することによってA社事業の存続を図る。

結果

新会社設立からわずか1年でV字回復。倒産の危機を脱し、従業員の生活も守られた。

困難を打開するための、唯一の方法。

「この会社を何とか再生させることはできないか」

金融機関からの依頼を受けて始まった、事業再生プロジェクト。対象となる企業は、食品を扱うメーカーA社だった。A社はすでに各金融機関に対し債務返済期限の繰り延べ(リスケジュール)を申し込んでおり、資金繰りが持つか心配だった。ひょっとしたら債務超過に陥っている可能性もある。この企業の正確な財務・資金状況を把握するため、公認会計士チームが派遣され、財務デューデリジェンスが実施された。財務デューデリジェンスの結果、A社は既に債務超過に陥っており、過去数年間に渡り毎年数億円もの赤字が続き、かつ数ヵ月後には資金ショートが迫っているという逼迫した状況にあることが判明。あらゆる解決策を検討したが、自力での再建は困難な状況であった。

このまま何の手立ても打たずに時間が過ぎれば、A社の事業のみならず、そこで働く従業員の雇用も失われることになる。そこで、A社と協議のうえ、自力での再建のさまざまな施策を実行しつつ、スポンサー型再生の選択も視野に入れて、同時進行で支援を行うことにした。

スポンサー型再生とは、A社単独ではなくスポンサーの支援のもとで再建を図るという方法である。ただし、この方法で再生を行うには、越えなければならないハードルがいくつもあった。まず当然のことながら、支援に手を挙げてくれるスポンサーを探さなければならない。また、スポンサーを見つけることができたとしても、必要な手続きを一定の期間内に行わなければ、資金ショートに陥る可能性が高くなり、その時点で再生は不可能になる。そのため、同時に民事再生手続の申立も想定した動きをする必要があった。

スポンサーと債権者。利害の相反する両者の調整を行いながら、再生に向けた諸々の実務を同時進行で進める。こうした極めて難しい状況に対応するため、みらいコンサルティングではM&Aコンサルタント、公認会計士、税理士、事業再生コンサルタント、社会保険労務士、司法書士、社外の弁護士を加えたプロジェクトチームを結成し、一連の支援業務にあたることになった。

チーム全員が動き、同時に解決にあたる。

民事再生手続のなかでスポンサー型再生に取り組む場合、申立後にスポンサー企業の入札を行うケースも多い。しかしこの方法だとスポンサー探しに時間がかかり、その間に資金繰りが困難になる可能性もある。そこでプロジェクトチームが取った選択肢は、事前にスポンサーを探したうえで民事再生手続の申立を行う「プレパッケージ型」の民事再生手続。この方法ならスポンサーの信用力を背景に、申立後も再生企業(A社)が安定した事業継続を図ることができる。かつスポンサーの協力のもと、DIP(debtor in possessionの略)ファイナンスによる資金手当てを行うこともできる。 こうした方針決定を経て、実際にスポンサー探しが始まったのが2月。M&Aチームでは40社ほどの企業をリストアップし、提案と交渉をスタートした。そのなかで、4月になってようやく同業のメーカーB社から「買ってもいい」という返答を得ることができた。

買い手になってくれそうな企業を見つけることはできた。しかしその後も、A社事業のスポンサーへの譲渡に向けて解決すべき課題は山のようにある。いったん民事再生を申立ててしまうと、自力で資金繰りを継続しなくてはならなくなり、資金繰りが継続できないと「破産」という最悪の事態となる。それを免れるために、事業再生コンサルタントは、日々の資金繰りを慎重にチェックする必要があった。ただ、こうしている間にも、月々数千万円という赤字の状況は続いている。上述のDIPファイナンスにも限度があり、赤字を止めなければ資金繰りが改善しないことは目に見えていた。そこで出されたのが、B社の支援のもと、A社の原料の仕入れを新たなルートで行うというアイデア。それによって資金繰りの改善に一定の目処が立つことになった。

すでに裁判所に民事再生手続の申立は行われ、後戻りはできない状況にあった。あとはもう、ゴールに向けて前進するしかない。すべてのメンバーが、覚悟を新たにした。

チームコンサルティングだから、実現できること。

このプロジェクトにおける事業再生コンサルタントとM&Aチームの役割は、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)と呼ばれるもの。再生スキームの構築、資金繰りの管理、スポンサーとの交渉などを担うことになる。一方、民事再生手続の申立企業であるA社の代理人を務めたのが、提携先の弁護士チーム。さらに、新たにA社の事業を継続(譲受)するための新会社を設立する際の登記手続きや人事・労務、給与計算、社会保険などの面でコンサルティングを行ったのが、司法書士、社会保険労務士チームである。

新会社へのA社事業の承継は、第2会社方式と呼ばれる事業譲渡スキームによって行われる。譲渡というと、土地・建物、設備など物質的な譲渡をイメージしやすいが、ある意味それよりも大切なのは、従業員の承継だ。建物や設備だけを譲渡しても、そこで働く従業員がいなくては、今後の事業運営自体が成り立たなくなるからである。そこで実施したのが、A社の全従業員へのスポンサーによる面談。すべての従業員をそのまま採用することになり、従業員は今までと同じ場所で、同じ仕事に携わることができるようになった。ただ、同じ場所で働けるとはいっても、元の会社がなくなり新会社に転籍するのは、大きな不安を感じるもの。特に給料面の不安は大きい。

そこでプロジェクトチームはB社の社長に交渉し、元の会社とまったく同じ給料を保証したうえでの採用を実現した。さらに、新会社の給与規程の設定、就業規則の作成など、従業員の円滑な承継を実現するための、重要な役割を担った。

このように、事業譲渡後の仕組みづくりを含めたきめの細かいコンサルティングは、みらいコンサルティングが掲げる「チームコンサルティング」の本領だ。たとえば人事・労務面の業務が、みらいコンサルティングの社員以外の手で行われていたとしたら、新会社への人員の受け入れや給与保証など、「従業員の利益」を守るための粘り強い交渉は行われなかっただろう。結果として、多くの従業員の生活が守られなかった可能性も大きい。

一般的に、M&Aコンサルタントや税理士、社会保険労務士といった個々の専門家にとって、優先されるのはあくまでも自分の専門分野に属する業務である。一方、今回のプロジェクトにおいては、「すべてのステークホルダーが、できるだけ満足できる形でM&Aを通じた事業再生を成功させる」という大きな使命感が、全スタッフに共有されていた。チームの力がひとつの方向に集約されるからこそ、本来なら解決困難な課題に対してもソリューションを提供できる。スポンサーの探索・選定、事業承継スキームの構築、事業の移転、従業員の承継などのサービスをワンストップで提供できるのは、まさにチームコンサルティングの力によるものだ。

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