深刻な経営危機からのV字回復。変化を促すひと言が、社員の心に火をつけた。

サービス
人事労務 , 企業再生 , 会計税務支援 , 成長戦略 , 経営改善
課 題
更なる成長を図りたい, 組織の活性化を図りたい, 経営の安定化を図りたい
業 種
マスコミ

マスコミ
E社

課題

市場環境の悪化を受け、財務体質の改善が急務に。だが、タテ割り組織の弊害で改革が進まない。

施策

社内組織の枠を取り払ったプロジェクトチームを結成。「財務」「組織体制」を中心とした改革を実行。

結果

財務、組織体制、財務、給与体系、社員教育など、あらゆる面でのチームコンサルティングにより、黒字化を達成。1年目で業績がV字回復。

人が変わらなければ、会社は変わらない。

「このままでは、皆さんの会社はつぶれてしまいますよ!」

プロジェクトマネージャーのSは、約20名のメンバーが並ぶ会議室で、強い口調でそう言い放った。そして「皆さんが現状を変えるつもりがないのなら、どうぞ勝手にしてください」という言葉を残し、その場を後にした。マスコミE社の事業再生のプロジェクトが始まって約2か月。事業計画を作り込むために社内から集められたメンバーたちのやりとりを見て、意を決して発した言葉だった。

この時点で、取り組まなくてはならない改革のテーマはすでに明確であった。ひとつは「財務体質の改善」である。市場環境の変化によって売り上げが伸び悩むなか、E社では体質改善につながる有効な手立てを構築できずにいた。売り上げの大幅な伸びが期待できない以上、人件費などのコストを見直すことによって業績改善を図るしかない。しかし、それを簡単に実現できない理由がE社内には存在した。それがもうひとつの課題である、「タテ割りの組織による体制の硬直化」だった。こうした問題意識に立ってみらいコンサルティングは、全社レベルで現状を打破するために、組織の枠を超えたディスカッションの場を作ることを提案。「クロスファンクショナルチーム(CFT)」と呼ばれる手法によって社内から集められたのが、20名のメンバーだったのだ。

しかし期待通りに進まない。Sたちコンサルタントの提案に対しても、「その案を実行するのは現実的には不可能だ」「うちの部には関係ない」という後ろ向きの意見が多く聞かれた。しかし、メンバー自身が自らの意志で会社を変えようとしなければ、長続きしないことは明白であった。

「どんなにすばらしい計画を作ったとしても、当事者が本気にならなければ、絵に描いた餅に終わってしまいます。だから、経営改善を成功させるためには、人の意識を変えなくてはいけないのです」 Sがメンバーたちに向けて発した厳しい言葉は、彼らの気持ちを動かすための本気の一言だったのだ。

そして、未来に向けた改革は始まった。

マネージャーであるSのもとで、メインスタッフとしてこの案件に関わったのがHだ。E社とのコンタクト役は主にHが担い、顧客との密接なコミュニケーションを重ねながらプロジェクトを推進した。何らかの問題が生じることがあれば、その連絡はHのもとに届く。クライアントを突き放すようなSの発言についても、その反応はまずHのもとに伝えられた。その夜、その会社の役員からの電話を取ったH。しかし役員の口から伝えられたのは意外にも、「大事なことを言ってくれてありがとう」という、感謝の気持ちを表す言葉だった。

「自分の会社に問題意識を持っていたとしても、社内の人がそれを口にするのは簡単なことではありません。だからこそ、コンサルタントという第三者が言うべきことをしっかりと伝え、社内の意識を変える必要があるのです」とHは語る。

そしてHが次の日、E社を訪れてみると、驚いたことに一夜にして改革方針ができ上がっていた。この出来事をきっかけにして、プロジェクトメンバー一人ひとりのなかに改革への確かな意識が生まれたのだ。

プロジェクトメンバーたちがこの時作成した原案こそ、事業計画のベースとなるものだった。なかでも重要な施策のひとつが、営業部門の組織改革。営業部全体の機能を4チームに集約させて名称を変更。ヨコの連携を図りやすい組織へと体制を移行した。また同時に、E社社長の指示のもと、役員人事の刷新を断行。これによって経営に関する意思決定が迅速に行われるようになった。さらに、経営課題を扱う部署として新たに経営企画室を設立したことで、特定の部の利益に偏ることのない、会社全体を見据えた組織運営が可能になった。

プロジェクトメンバーたちが「本気」で改革に向き合い始めてから3か月という短い時間で、改革は迅速に進められていった。

チームコンサルティングだから実現できること。

改革の大枠は整った。しかし実際はそれだけでなく、会社の新たな仕組みを機能させるための実務を同時期に進めることが必要になる。

クライアントのリクエストによって行われたのが、社員のモチベーションを高め、個々のレベルアップを図るための施策。人事コンサルタントのMが中心になって進めた給与体系の整備や、コンサルタントのOが手がけた社員研修がそれにあたる。また、税理士法人チームのT、M、Aが取り組んだのが、E社の経理を抜本的に改善するための業務。「税務顧問」というサービスを提供し、月次のチェックから税務申告までの一連の業務を手がけた。そして一連の事業計画を実行した後も、E社とみらいコンサルティングとの関係は続いている。

「長い時間をかけてお客さまとお付き合いすれば、より広い角度から経営課題が見えてきます。その時にすぐに最適なスタッフを手配し、解決策を提案できることが、当社の強みです。長期間にわたるパートナーシップのなかでこそ、チームコンサルティングの本当の価値を実感していただくことができます」とSは説明する。

一方、人事コンサルタントのMは、チームコンサルティングの持つ意味について、チーム内で働くスタッフの立場からこう語る。「たとえば今回の件でも、私が実際に接するお客さまは人事担当者などわずかな人に限られます。しかし、当社はチーム内で情報を共有しながらコンサルティングを行うため、お客さまの企業全体がどんな状況にあり、どんな課題に向き合っているのかを、リアルタイムで把握することができます。部分的な問題にとらわれるのではなく大きな視点に立って客観的な判断ができるのは、こうした当社の仕組みがあるからです」

チームの総力を集めた事業再生の結果、E社の業績は1年目でV字回復を遂げ、黒字化を完全に達成した。「経営改善を図る」という本プロジェクトのミッションは、十分に果たされたといえる。しかし、みらいコンサルティングが果たすべき本来の使命は、終わりを迎えたわけではない。危機を脱した後も、直面する課題に柔軟に対応し続けることができなければ、厳しい市場環境を勝ち抜くことはできないからだ。クライアントと同じ視点に立ち長期的な視点で課題解決に取り組む、チームコンサルティングの本領が発揮されるのは、いよいよこれからだといえるだろう。

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