決算書では見えない課題を見える化し、企業のポテンシャルを最大限に発揮。

サービス
経営改善
課 題
経営の安定化を図りたい
業 種
卸売業, 小売業

食料品卸売業
A社

課題

「業績至上主義」が経営の歪みを生み、財務の窮状を招く。

施策

事業再生コンサルタントが本質的な経営課題を考え抜き、クライアントと共に解決策を考え・実行することで業績改善を実現する。

結果

事業再生のステージを乗り越え、成長に向けた新規事業開発へ。

会社再生の最後のチャンス

「当行の重要なお客さまの再建を手伝ってほしい」

金融機関からの依頼を受けて始まった、事業再生プロジェクト。対象となる企業は、食料品を扱う卸売業、A社だった。A社はすでに各金融機関に対し債務返済期限の繰り延べ(リスケジュール)を申し込んでおり、資金繰りが持つか心配だった。ひょっとしたら債務超過に陥っている可能性もある。この企業の正確な財務・資金状況を把握するため、会計士チームが派遣され、財務デューデリジェンスが実施された。

財務デューデリジェンスの結果、A社の財政状態は債務超過に陥っており、その主な要因は回収の長期化・長期滞留により換価性が下落した売掛金と在庫によるものだった。私たちみらいコンサルティングが関与するまで、A社の売上は減少傾向にあったものの、決算書上の業績は黒字が続き、財務内容も資産超過だったことから、A社長に「漠然とした業績への不安」はあったものの「絶対的な危機感」は存在していなかった。

経営の本質的な課題の発見

売掛金の回収長期化と在庫の滞留はあくまで表面的な課題だ。その本質を探るため、私たちは経営陣から現場に近い中堅職員に至るまで、幅広い役職員を対象としたインタビューを行った。

経営トップと現場のスタッフには意識や認識の乖離があった。経営陣「結果さえ出せば、現場には自由を与えているのに、モチベーションが感じられない。」、現場「在庫処分や返品の対応などの後ろ向きな仕事が多く、新商品の開発に時間が割けない。」

『「短期的な売上」至上主義』。これが私たちの導いた、A社の最も重要で本質的な問題だ。A社の本質的な問題は、具体的には以下のような現場の歪みを生んでいた。

▶ 売上を重視するあまり、与信管理に気が回らず、売掛金が長期化し、貸倒れが断続的に発生
▶予算達成のための押込み販売により、顧客からの無理な返品や不利な取引条件受入れが頻発
▶ あらゆる顧客のニーズに対応するためアイテム数が年々増加、大幅な値引販売による在庫処分が恒常化
▶ 現場スタッフは、こうした在庫処分業務のために多くの時間が割かれ、顧客ニーズを読み、新たな商品を開発する時間が確保できなくなっていた。

A社はバブル期に業績を伸ばし、事業の基礎を築いた会社だ。経営陣とのインタビューからは「良いものを仕入れれば売れる」「売れば儲かる」という過去の成功体験から抜け出せない意識が垣間見られた。

「経営者が変わらなければ、会社は変わりません。成功体験を捨ててください。」

私たちの調査結果を聞いたA社社長は「結果を事実として受け止め、会社を建直します。みらいさん、是非協力してください。」と言ってくださった。実直なA社社長のその言葉が私たちの大きな励みになった。

計画を愚直に実行し、業績回復へ

私たちが検討したA社の本質的な問題について、経営陣・現場スタッフへの説明会を行い、確認・擦り合せのミーティングを数度行ったうえ、「経営改善プロジェクトチーム」を組織し、会社再生の道筋を検討することに着手した。

「保守的」「改革推進派」「職人肌」・・・多様なメンバーで行う会議の議論は一進一退。全社で統一した方向性を導くためのミーティングは合計10回近く行われた。

最終的には経営陣と改革推進派メンバーの意見が合致し、経営改善の道筋を決定した。私たちがプロジェクトチームと共に考えた抜本的な経営改善の骨子は以下の通りだ。

▶︎ 売上上位顧客に対するマーケティング活動の強化・集中(不採算顧客との取引解消)
▶︎ 滞留在庫の一括処分と物流施設の集約
▶︎ 売掛金、在庫の管理ルール策定とキャッシュフローを基準とした業績管理

こうした方向性を実現するための具体的施策をメンバー中心に落とし込み、施策を反映した財務計画を策定し、経営改善計画をまとめ上げた。計画検討のなかで特に難航したのが、不採算顧客との取引解消だ。売上の減少に直結する取引先の集約は、現場の抵抗が最も大きい施策だ。計画実現のための施策として、業績評価の仕組みを売上重視からキャッシュフロー重視に見直し、これを人事評価にも反映することとした。この施策の実行には、みらいコンサルティングの人事コンサルタントがアドバイザーとして関与した。

計画の実行に当たっては、会社の変革に賛同できないメンバーの退職や顧客との取引条件見直しに伴うさまざまなトラブルが発生したが、A社長のリーダーシップのもと、A社は施策の実行に愚直に取組んだ。みらいコンサルティングは施策の実行をモニタリングする会議の体制整備や顧客セグメント・商品群別にキャッシュフローを管理するための業績評価の仕組みづくりを支援することで、計画の実行を支援した。

計画策定に着手してから約1年半が経過、結果的に現場スタッフの業績への不安は杞憂に終わった。取引先を選別することで、顧客当たりの売上高は増加し、顧客ニーズをキメ細かく分析することで付加価値向上にも成功したのだ。取引先集約の副次的な効果として、運送費・販促費などの販売コストも減少し、計画初年度から経営改善計画を上回る業績を達成した。

現在A社は改善した業績をテコに、海外の取引業者との協業による新規事業開発や同業者のM&Aを計画し、更なる成長の道を歩みはじめている。

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