MBOによる地域経済活性化

サービス
企業再生
課 題
事業の承継をしたい
業 種
メーカー

金属部品メーカー
P社

課題

親会社はリストラクチャリングにより、子会社整理を行っていた。親会社は子会社であるP社に対して、ファンドへの売却提案を行った。親会社は首都圏にあるが子会社は地方都市の中小企業。その地域で350名の雇用があった。そこで子会社P社の経営陣は立ち上がり、MBOにより自立した経営を目指すこととした。

施策

P社は親会社からの自立を進めているとはいえ、販路について、未だ親会社への依存度が高い状況。また、今まで金融機関から借入をしたことが無く、資金繰りは親会社が支えていた。MBOによる親会社からの離脱により、今後の事業継続ができるのか、MBO資金をどのように調達し弁済するのか、親会社との交渉をどのように進めるのか、課題は多くあった。

結果

子会社P社は、親会社に当初のファンドの提案を上回るものを提示し、また、今後の事業継続に支障の無いように交渉を纏め上げた。MBOスキームを構築し、その地域の金融機関(地方銀行+信用金庫)が協力して、MBOファイナンスを実行。MBO後も元親会社の伝統を引き継ぎながら、新たなステージへ進んでいる。

青天の霹靂

「貴社をファンドへ売却しようと思う。そのファンドがデューデリジェンスに赴くので、しっかり対応をしてくれ。よろしく頼む」

親会社の業績不振から数年、まさかその影響がこのようになるとは思っていなかった。当初、親会社の100%下請け企業。親会社の業績に左右され、リーマンショック後大幅に業績がダウン。資金的には親会社からの支えがあったが、その教訓から、親会社に頼らない経営をする必要性を感じていた。そこで、徐々にではあるが、親会社以外の販路を開拓し、売上の4割は親会社以外となっている。親会社からの自立を考えていたのではなく、自らの業績は自社でつくる、という考えを持ったことによる行動だった。しかし、それがこのようなかたちで推進しなければならなくなったのは、P社には不安があった。

「当社の価値は、高い。どこでも貸してくれると思っている」

みらいコンサルティングは、まずデューデリジェンスを行って、P社の理解を深めた。

メーカーで、技術力には自信がある企業。しかし、数値にはそれが表れていない。過去の貯えから純資産は数億あるが、損益は直前々期まで経常赤字、直前期が若干の黒字となっている。当期の月次損益をみても大きな利益が計上できるかは見通しが立っていない。MBOのためには、資金調達が必要。今まで金融機関とのそのような取引を行ってこなかった企業であり、また、P社は非上場で、親会社から自立すると単なる中小企業となる。みらいコンサルティングはこの背景から資金調達が非常に困難になると考えたが、P社は簡単に考えていた。

一方、簡単に進むと考えていたP社は、親会社に対して「MBOを考えたい。少し時間がほしい」と申し入れた。「ファンドの提案を超えるなら、検討遡上に乗る」との約束を取り付けていた。

政府系金融機関から断られる

親会社の業績不振、子会社として販路を拡大しているとはいえ未だその途上の状態。政府系金融機関でさえ、そのような企業への融資はできないとの判断となった。そして、高利ではあるがデッドファンドを含め、このような案件を取り扱う金融機関とも折衝したが、案件サイズとしては大きくなく、なかなか進めることが難しかった。

みらいコンサルティングへこの案件相談を持ち込んだ地元金融機関もおよび腰となり、「必要資金の1/3程度ならがんばれるかもしれないので、残り2/3を別で調達してください。もちろん当行に劣後するかたちですが」と、実質断りを受けることとなった。

事業性を評価せよ

ちょうど事業性評価が言われだした時期。何度となく事業計画を見直し、P社の技術力が高いこと、仮に親会社から離脱してもその技術力が認められている販路からの需要が高いこと、また、最悪ケースでも十分に利益が確保できる体制への転換をすることを含め、金融機関と粘り強く交渉を行った。その結果、某金融機関が前向きに検討しだし、その金融機関の判断が呼び水となり、地元の地方銀行、信用金庫まで巻き込んで検討が一気に進んだ。

親会社へファンドの提案を超える答えが出せたのは、みらいコンサルティングが関与して4ヶ月が経過したころだった。親会社は当初実現不可能と考えていたが、本当にそれが実現できるならとMBOスキームに前向きに取り組んでくれた。

「MBOスキームの実行」

複雑なMBOスキームを構築し、クロージング。

通常のMBOスキームは、SPC(特別目的会社)を設立して資金調達、そのSPCにて株式を買い取り、将来、対象企業との合併を行う。しかし、株式買取資金は約定弁済する予定であったために債務返済計画が煩雑で、子会社から親会社へ配当を行うのだが、純資産基準に抵触するなど難しいものとなった。そこでいろいろ検討し、自己株式買取りを含めてスキームを組成した。

「これで、親会社グループから自立したので、親会社のライバル企業からも受注ができるようになります。しかし当社は親会社に育てていただいた企業。自立後もその精神を継承し、親会社の名前に恥じない事業運営を行っていきます。」 P社の経営陣は、地元雇用と取引を確保し、その地域での事業運営を継続している。

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