債権者、従業員、スポンサーと力を合わせてスポンサー型再生を実現

サービス
人事労務 , 会計税務支援 , 企業再生
課 題
経営の安定化を図りたい, 事業の再生
業 種
メーカー

医薬品製造業
X社

課題

法改正により、業績が悪化。
許認可取り消しの危機が目前に迫り、自力での再建が困難な状況に陥る。

許認可取り消しの危機

「X社のデューデリジェンスを実施してほしい」という金融機関からの依頼で、プロジェクトがスタート。金融機関の担当者からの事前説明によると、X社は金融機関に対し、現時点では債務返済期限の繰り延べ(リスケジュール)を行っておらず、資金繰りにも大きな問題はない。但し、法律の改正があり、顧客との取引条件が変わる可能性があるため、今後の事業性の評価と将来の資金繰りの見通しを把握してほしいというものだった。プロジェクトマネージャーは、社内のルールに従ってX社から財務諸表、各種契約書、規程などの提供を受け、その情報をもとに、チームメンバーを選定し、当初は公認会計士を含む3人体制を組んだ。

後日、チームメンバーがX社を訪れ、デューデリジェンスを実施したところ、金融機関の担当者の想定を超える、顧客との大幅な取引条件の変更がすでに行われており、資金繰りを圧迫し始めていた。そのため、X社は経費削減を実施して経営改善を図っていたがそれも限界まで達し、これ以上の改善は難しい状況にあった。さらに、多額の負債の計上漏れまで発見され、1年後には許認可が取り消されるという危機的な状況にあることが判明した。

スポンサー型再生に舵を切る

プロジェクトマネージャーは、デューデリジェンスの結果に強い危機感を抱き、早々に金融機関とX社に対し、自力での再建(自力再生)ではなく、スポンサー型再生を提案した。スポンサー型再生とは、X社単独ではなくスポンサー企業の支援のもとで事業再生を図る手法である。支援に手を挙げるスポンサーを見つけることはもちろん、乗り越えなければいけないハードルが幾つかある。特に、金融機関の債権放棄や金融債務の連帯保証人の保証履行について承諾を得るため、多くの時間を要する。本件も一部の金融機関から反対があり、スポンサー型に舵を切るまでに数カ月の時間を要した。この時点で、M&Aや人事労務の知見が必要になることから、M&Aコンサルタントと社労士が加わり、チームメンバーは5人体制となった。

スポンサー型再生は、事業再生の確実性や債権放棄額の妥当性を検証するために、スポンサー企業を入札で選ぶことが多い。本件も入札を実施したところ、1回目は参加企業が現れず難航。そのため、債権者の協力も得て、スポンサーL社を見つけることに成功した。

問題発生!(株主・従業員の反対、第三者調整機関が関与できず)

スポンサー選定が完了したことから、株主と従業員を対象に説明会を実施した。しかし、L社の支援のもとに事業再生を図ることに対し、一部の株主・従業員から強い反対があった。そのため、X社のみならず、L社からも協力を仰ぎ、幾度となく説明会や個別訪問を実施して理解を求めた。スポンサー型再生を行う場合、債権者との調整を円滑に進めるために、第三者調整機関(再生支援協議会など)が関与することが多い。本件は、残念ながら複数の第三者調整機関から断られたため、当社が調整役を担当せざるを得なくなり、新たに社外の弁護士をチームメンバーに加えることになった。

事業の承継を実現(許認可の取り消しを回避)

弁護士の関与のもと、L社・債権者・株主・従業員と幾度となく調整を行い、スポンサー企業に事業を承継することができた。あと数カ月、展開に遅れが生じていたら、許認可は取り消され、法的整理に移行した可能性は極めて高い。本件に関わったチームメンバーは社内外を含め総勢10人にのぼり、当社の強みである“チームコンサルティング”の良さを発揮した案件となった。

なお、本件の成功要因は、X社、L社、債権者、従業員ら関係者全員が、共通認識(許認可の取り消しの危機)を持ち、ゴール(スポンサーへの事業の譲渡)に向けて、協力できたことにある。

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