いよいよ2015年4月より、マレーシアでGST(Goods and Services Tax)が導入されます。
当初、マレーシア政府は2007年にGSTの導入を予定しましたが、国民の反対によって今まで延期されてきました。導入まであと2か月を切り、マレーシアに進出している企業にとっては、いよいよ「待ったなし!」となりました。

GSTは、マレーシア国内における物品およびサービスの提供を課税対象とし、サプライチェーンの各段階において課税を行う多段階消費税です。GSTの課税事業者は、売上にかかるGST(アウトプットタックス)(注1)から仕入にかかるGST(インプットタックス)(注2)を控除のうえ、納税を行います。

標準税率は「6%」ですが、生活必需品(米、食塩などの食料品、一定の電気・水道料金など)には「0%」の税率が適用され、実質的に免税となります。また、居住用の家屋・土地の売却や賃貸、公共交通機関の料金などは非課税(Tax Exemption)とされます。

課税売上高が、年間50万リンギット(約15百万円)を超える事業者はGST課税事業者として登録する義務があります。
GST課税事業者は、その課税売上高の規模によって1月ごと、または3月ごとに申告および納付をすることになります。

GSTは、日本の消費税に類似した制度ではありますが、全く違った側面を持っています。
たとえば、日本の消費税は「帳簿方式」ですが、GSTは「インボイス方式」(注3)です。
GST課税事業者は、アウトプットタックスについて法定の要件を満たすタックスインボイス(注4)を発行する義務があり、インプットタックスの控除を行うためにタックスインボイスを保管しなければなりません。

日本人にとって最も理解しにくいのは、「リバースチャージ」(注5)かもしれません。
GSTでは海外から提供を受けるサービスを「インポートサービス」と定義し、「リバースチャージ」を適用します。
たとえば、マレーシア子会社が日本の親会社から「経営指導」のサービスを受けるケースなどが「インポートサービス」に該当します。このケースにおけるGSTの納税は、サービスの提供者(日本の親会社)ではなく、サービスの受領者(マレーシア子会社)が行うこととされます。この納税義務のシフトが「リバースチャージ」といわれます。なお、このケースでマレーシア子会社がGST課税事業者であれば、納付したGSTについてインプットタックスの控除を受けることができます。

GSTをしっかりと理解していないと、思わぬトラブルになる可能性があります。
また、GSTでは罰則規定が定められており、違反内容によって罰金または禁固刑もしくはその両方が課されます。
みなさん準備は万全でしょうか。
気になることがありましたら、弊社(「日本各拠点」および「マレーシアJapan Desk」)までお気軽に声をおかけ下さい。

TAC
山田 裕之

 

GST