8tipsリスクに備える経営
- 2020.06.17
- リスクに備える経営
新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置において、受給額の上限が引き上げられます。【速報】
新型コロナウイルス対策として「雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大」について概要が既に公表(令和2年3月28日)されていますが、今回、令和2年6月12日に更なる拡充内容やリーフレットが公開されましたので、ご説明します。
1.助成額の上限額の引き上げおよび助成率の拡充
新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動が急激に縮小する事業所が生じ、地域経済への影響が見込まれることから、厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主に対して、令和2年2月14日、同月28日及び3月10日に雇用調整助成金に係る特例措置が講じられ、さらに令和2年4月1日から同年6月30日までの間は、緊急対応期間として、上乗せの特例措置が講じられています。
今般、令和2年4月1日から同年9月30日までの間は、この上乗せの特例措置がさらに拡充されます。
(1)助成額の上限の引上げ
雇用調整助成金の1人1日あたりの助成額の上限額は8,330円となっていました。今般、令和2年4月1日から9月30日までの期間の休業及び教育訓練について、企業規模を問わず上限額が15,000円に引き上げられます。
(2)解雇等を行わない中小企業の助成率の拡充
解雇等をせずに雇用を維持している中小企業の休業及び教育訓練に対する助成率は、原則9/10(一定の要件を満たす場合は10/10など)となっていました。今般、この助成率が一律10/10に引き上げられます。
(3)遡及適用(詳細はリーフレットをご覧ください。)
- 上記(1)及び(2)の引き上げおよび拡充については、既に申請済みの事業主の方についても、以下のとおり、令和2年4月1日に遡って適用されます。なお、労働局・ハローワークで追加支給分(差額)が計算されますので、再度の申請手続きは必要ありません。
1.既に雇用調整助成金の支給が決定された事業主
⇒ 後日、追加支給分(差額)が支給されます。 なお、追加支給分(差額)は令和2年7月以降、順次支給されます。
2.既に支給申請をしているが、雇用調整助成金の支給が決定されていない事業主 ⇒ 追加支給分(差額)を含めて支給されます。 |
- 上記1または2の事業主の方が、過去の休業手当を見直し(増額し)、従業員に対して追加で休業手当の増額分を支給した場合には、当該増額分についての追加支給のための手続が必要となります。
2.緊急対応期間の延長について
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、雇用調整助成金については、令和2年4月1日から同年6月30日までを緊急対応期間とし、各種の特例措置(※1)が講じられてきました。
(※1)緊急対応期間中の特例措置
・生産量要件の緩和(確認期間3か月→1か月で5%減)
・助成対象の拡充(雇用保険被保険者でない労働者も助成金の対象)
・助成率の引上げ
・支給限度日数の特例 など
今般、緊急対応期間の終期を3か月延長することとなり(令和2年9月30日まで延長)、上記1(2)の助成率の拡充に加え、これまでの特例措置も延長して適用されることとなりました。
なお、緊急対応期間の前から講じていた特例措置(※2)については、対象期間の初日が令和2年9月30日までの間にある休業等に適用されることとなりました(現行は同年7月23日までの間にあるものに適用)。
(※2)緊急対応期間前からの特例措置
・クーリング期間の撤廃
・被保険者期間要件の撤廃 など
3.出向の特例措置等について
雇用調整助成金の支給対象となる出向については、出向期間が「3か月以上1年以内」とされていますが、緊急対応期間内においては、これを「1か月以上1年以内」に緩和されました。なお、(公財)産業雇用センターにおいては、新型コロナウイルス感染症への対応として、「雇用シェア(在籍出向制度)」を活用して従業員の雇用を維持する企業を支援するため、「雇用を守る出向支援プログラム2020」が開始されました(詳細はリーフレットをご覧ください)。
※詳細、リーフレット等につきまして、下記厚生労働省のURLをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/press1401_202005061030_00004.html