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残業時間上限を月72時間に引き上げへ

労働傷病兵社会省は残業時間の規制を変更し、現行の月40時間および年間200時間(一部の業種等については年間300時間まで認められている)から、月72時間および年間300時間へ引き上げることを政府に提案した。現行の上限については2021年1月1日施行の改正労働法で新たに引き上げられた規定であり、今回の提案は更にそれを引き上げるものとなる。

 

今回の引き上げ提案の背景は、コロナ禍で各企業が従業員の出社率を抑え込んだことと関係していると言われている。具体的にいうと、履物、縫製、水産加工といった労働集約型の企業を含め、多くの企業が労働者の出社率を通常の50%程度とした結果、出社した従業員の残業時間が増えることが予測され、現状の上限時間を超える残業を要請する企業が続出するのでは、という懸念を反映したものと言える。

 

ちなみに、ベトナムの労働法では、法定労働時間は1日8時間、1週では48時間とされ、深夜労働については22時から翌朝6時までと定められており、法定労働時間を超える労働時間や深夜労働に対しては日本同様にそれぞれ定められた率の割増賃金を支払う必要がある。また残業については原則従業員の同意が必要であり、同意を得たとしても1日の所定労働時間の半分(法定労働時間だと4時間)を超えることは許されておらず、残業に対しては日本以上に厳しい規制が敷かれている。

 

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