8tipsリスクに備える経営
- 2020.03.19
- リスクに備える経営
コロナ対策:景気後退リスクにおける、会社・経営者としての対処・基本手順
新型コロナウイルスの世界的蔓延、蔓延防止のための行動制約、原油生産方針の見直しによる原油市況の下落、株式市況の大幅下落など、コロナウイルスによる影響、特に経済への悪影響が深刻化しています。
すでに操業停止、特定製品の生産停止、店舗や宿泊施設の臨時休業・時間短縮に踏み切っている会社が出始めています。
新型コロナウイルスが一段落し、経済活動が回復するまでの間、状況が益々深刻になっていくことを想定し、会社・経営者として思い切った決断を行い、敢然と実行することが求められます。
私たちの過去の経験も踏まえながら、対処の基本手順をご紹介します。
1.経営者としての『覚悟』を示す
会社の経営者が真っ先に行うべきは、「不要不急の出血(資金流出)を止め、従業員みんなが働く場所と、全員が社会貢献する場所を残すための努力を惜しまない。心配するな。」という決意表明であると考えます。
2.率先垂範し、従業員と一緒に『職場を守る努力』を約束する
次にとるべき行動は
自らの役員報酬をいったん止める
従業員に残業や休日出勤の見合わせを申し入れる(将来の働き方改革にも生かす)
従業員の理解を求め(給与全額支給をしても)時間短縮、一時帰休体制に入る(適用可能な各種助成金の申請手続きの検討に入る)
従業員の理解を求め、休業補償をしてでも雇用を守る
ということだと思います。
リーマンショックの際は、あるメーカーさんは、「出来ることをする」ということで、まず経営者陣頭指揮のもと、職場の清掃と機械の洗浄・メンテナンスを真っ先に始めたというお話を聞いたことがあります(その会社はその困難をしっかりと乗り切りました)。
どんな些細なことでも行動することが大事です。一番の罪は「わからないので何もしない」ということを肝に銘じておきたいものです。これを乗り越えると、将来に向けた「真の働き方改革」に絶対につながっていくことは間違いないと思います。
3.きちんと『説明責任』を果たし、受け入れてもらう
この難局を乗り切っていくには、お客さま、納入いただく先、金融機関のみなさま、都道府県、市町村、税務署、日本年金機構、健康保険組合等、あらゆるところにきちんと説明責任を果たしたうえで、「支援いただく約束をお願いし、受け入れていただく」ことが大事です。
お客さまにはご迷惑をかけない最大限の努力をする
納入いただく先に極力負担をかけない最大限の努力をする
会社一丸で出来る取り組みをする
不要不急の支出をしない、許される制度はうまく活用して支出を遅らせる
以上の約束をもとに、必要な支援を金融機関の皆様に要請する
リーマンショックの際も上記のような説明責任を果たし、最大限の実行努力をした会社が、結果的には受注・納品を早期に回復させ、危機を乗り越えています。
また、当然のことながら、1円でも多くの資金を持っているに越したことはありません。そこもしっかりと説明責任を果たすことです。この経験を無駄にせず、行動に移していただきたいと切に願っています。
4.今ある商品、提供できるサービスを『無駄にしない』
すでに生産した在庫が余ってしまっていることはありませんか?サービス提供に備えて準備したものが日の目を見ずに残っているケースもあるかもしれません。しかし、諦める前に「何とかならないか」、最後の最後まで考え抜きましょう。
物産展が中止になり、多額の在庫を抱えた会社が、事情を発信したところ、結果その在庫がネットで完売となり、お客さまに喜んでいただいた事例もすでにあります。見方を変えれば、今回の事態がなかったならばお客さまにはならなかった方に販売できる絶好のチャンス、将来のお客さま発掘のヒントにもなるのです。
5.仕事の仕方を見直す『チャンス』でもある
目下、在宅勤務(テレワーク)が普及していると思いますが、「わが社は無理」と導入を見送られているケースもあると思いますが、発想を変えて、「本当に緊急の場合には何をすれば出来るか」を考えて準備をしてみてはいかがでしょうか。とりわけ経営層、幹部層、リーダーの場合は「緊急時にいかに情報を共有し、判断し、指示するか」が鍵になりますから、業務内容に応じてその準備をしておくかしないかでは、結果に雲泥の差が出ると考えた方がよいでしょう。そういう取り組み姿勢も、「説明責任を果たし、受け入れてもらうこと」につながっていくはずです。
「会社」という物理的スペースでなにげなくおこなわれていた「情報の流通」が、物理的に遮断された状態でどのようになるのか、他の災害対策としても有効ですから、実験的にでもぜひ体験してみてください。
6.こういう時だから、全員一丸で『「付加価値」と「新規事業」を考える』
今回のような困難に直面したときほど、普段ではなかなか作れない時間が生まれることもまた事実です。この空いた時間は「わが社の付加価値はいったい何なのか」を全員で考え、「何ができて、何で貢献できるか」を考える絶好のチャンスではないでしょうか。
全く新しいことを考えて事業化してもいいでしょうし、今までの経験を生かしたところから事業化してもいいでしょう。大事なことは「考えること」「生かすべく行動すること」につきます。
リーマンショックの際には、今の事業がいつ復活するかと考える会社ほど淘汰の憂き目にあいました。反対に「できることをとにかくやってみよう」と行動した会社ほど危機を乗り越えています。
すでに始まり、今後深刻化していく事態に対処するために、以上6点、基本的な手順をお伝えしました。
国等から打ち出される各種施策も、上記の手順に沿って発表されているようです。基本手順を理解したうえで、「わが社は何のために対策を講じ、何のために施策を活用させていただくか」という目的を明確にしつつ、とにかく1日でも早く行動に移すことをお勧めします。
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