8tips社員が幸せな経営
- 2021.11.11
- 社員が幸せな経営
「コネクション・カルチャー」と「サーバントリーダーシップ」
ここ数年、企業における人事部門の役割は、従来以上にその重要性が認められ、求められる役割も多岐になり、そして高度化しています。
「管理のエキスパート」の役割を求められている人事部門ですが、立派な人事制度を整備し、就業規則をはじめとする社内ルールを遵守させることで、『管理』できていると勘違いしているケースが多いようにも感じます。
人事部門に求められている『管理』とは、「制度運用やルールの遵守状況の管理(統制)」ではなく、「組織の現場でいかに効果的に人材が活用される仕組みとして運用されているか」、すなわち、「人材活用の管理(マネジメント)」ではないでしょうか。
さらに、コロナ禍においてリモートワークや在宅勤務が急増したことで、仕事の進め方や管理職のマネジメントのあり方にも変化が見られます。マネジメントのあり方はもちろんのこと、自社の管理職のスキルに疑問を持つ経営者が顕在化してきた印象もあります。
そこで、本日は2つのキーワードをご紹介したいと思います。
『コネクション・カルチャー』と『サーバントリーダーシップ』です。
まず、コネクション・カルチャーとは、マイケル・リー・スタラッド氏の著書です。
その中で、組織文化は、コネクション・カルチャーと支配の文化(culture of control)と無関心の文化(culture of indifference)の3種類に大別されるとしており、後者2つは以下のような特徴をもっていて、そのような組織においては、従業員の健康度や生産性が低下するといわれています。
それに対して、コネクション・カルチャーは、以下の3つの要素で構成されています。
①ビジョン(vision):事業を通じて目指す将来の姿
ビジョンが浸透している組織では、各人が仕事に誇りを持ち、目標に向かって一致団結して邁進できる。
②バリュー(value):従業員を人として尊重すること
従業員に配慮ができ、各人の個性を大切にし、強みを引き出し活かすことで、個人の成長を後押しできる。
③ボイス(voice):風通しの良さ
ボイスを重視する組織では、意思決定者は謙虚に周囲の意見を求め、人々もまた、心理的安全性が担保された状態で正直に自分の考えを共有できる。
このようなコネクション・カルチャーが醸成されると、生産性の向上、エンゲージメントの向上などが期待できるといわれています。
リモートワークと従来どおりの働き方が混在する環境において組織が活性化するような組織文化を作り上げるために、これからの人事部門には人事労務管理業務に留まらず、経営者のビジネスパートナーとしての位置付けとして、積極的に経営に関与する役割が期待されるのではないでしょうか。そして、そういった人材を配置することが重要となっていくように思います。
次に、サーバントリーダーシップとは、ロバート・グリーンリーフ博士が提唱したリーダーシップに関する哲学です。
これは、「リーダーがメンバー等を信頼し、奉仕する」ことがスタートで、信頼関係の構築をしながらサポートすることで目指すべきゴールに導いていくスタイルのリーダーシップです。
強い統率力でメンバーを率いるというよりも、部下の特徴や特性を生かしたマネジメントをおこなうものです。このスタイルのリーダーの元では部下のモチベーションや能力があがり、結果的に組織が一丸となって、力を合わせて良い結果を出していく体制が構築しやすいと言われています。
「離職率が高く社員が定着しない」「社員が成長しない」「コミュニケーションが悪い」など、従来のスタイルのリーダーシップが組織に合わないのではないかと感じることがあれば、研究してもよいリーダーシップ哲学ではないでしょうか。
いかがでしょうか。もちろん、リーダーシップにはいろいろなスタイルがありますので、各社が置かれている環境、事業内容、組織体制、人材の種類等、そして何よりも組織文化(風土)に最も適したスタイルを検討することが重要であることはいうまでもありません。もし、他社の取り組み事例なども含めてご相談をご希望であればお気軽にお声がけください。
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