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8tipsSDGsと経営

2020.01.30
SDGsと経営

SDGsを経営に活かす

SDGsを経営に活かす…

SDGsで大事なことは環境問題だけではなく、途上国支援だけでもない

SDGsの本質は個人と企業の「自覚」と「節度」による「結果としての全体最適」

SDGsが企業に求めるのは、事業そのもの(本業)による社会課題解決

企業が取り組むべきは「持続可能な経営」

SDGsは活用するものであり、無理にとりいれるものではない

 

SDGsとは

SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年に国際連合で採択された全世界の共通目標で17のグローバル目標と169の具体的なターゲットからなります。

日本語では「持続可能な開発目標」と訳され、2016年に政府が、2017年には経団連がとりあげたことで、大企業から取り組みが始まり、2019年の経団連賀詞交換会では、カラフルで丸いピンバッジが目立つようになりました。最近では毎日のように新聞や雑誌で目にするようになりました。

 

SDGsと現実感のギャップ

地球温暖化の影響と目される異常気象や、マイクロプラスチックによる海洋汚染の懸念といった、どうしても目立つ事象により、SDGsの本質が見えにくくなっているのではないでしょうか。

もちろん、それらの地球規模の課題はとても重要で、早急に対策する必要があるのですが、中堅中小企業経営や日々の生活という視点では何から手をつけていいのかわからない、というのが本音のところだと思います。また、カラフルなアイコンでみていただけるように、ゴールの1番目が「貧困をなくそう」、2番目が「飢餓をゼロに」となっていることも、日本のような経済的先進国に生きる私たちにとって現実感を薄める要因になっている気がします。さらに申し上げると「開発」という訳し方がその思考を助長していて、「持続可能な発展目標」とした方がいいのではないか、と問題提起されている方もいらっしゃいます。

SDGsの本質

「スナック菓子をたべると温暖化が進む」― よくSDGsを語る際に使われる話です。多くの食品や食品以外の加工品には「植物油脂」が使用されていることはご存じかと思います(原材料欄のトップによく記載されています)が、その多くは「パーム油」。パーム油の大半はインドネシアやマレーシアで栽培されており、大規模プランテーションを造成するために多くの森林が失われています。ここまでくるとおわかりかと思いますが、森林減少→二酸化炭素増加→温暖化、と連鎖的に影響が出る今のグローバル経済の仕組みをあらわす話です。このように、企業としても、消費者としても、誰もが「基点」になり、さらに、それが世界に「連鎖」していく、というのがSDGsにおいて大切な考え方です。

一方で、「大規模プランテーション」は全面的に「悪」なのでしょうか?産業の少ない地域に雇用を生み出し、効率のよいビジネスを展開することは資本主義経済においては普通のことです。また、「スナック菓子をたべない」ことが正しいことなのでしょうか?このように、一部分だけみると、違和感を感じます。

SDGsで大切なのは、個々の行為の是非ではなく、いきすぎた競争原理により、無自覚に過剰生産・消費されているということです。目標の12番目に「つくる責任、つかう責任」とありますが、多くの方がその当事者となる企業活動と消費行動において、「自覚」と「節度」を意識の中に埋め込むことがポイントです。

 

企業のジレンマ

先の事例のように、資本主義という競争社会の中での活動で、自社だけ原価の高い材料や資材を使ったり、世界の全体最適を考えた活動を心がけるのに抵抗を感じるのは当然です。もともと「規模の経済」の恩恵にあずかれない中小企業であればなおのことでしょう。これまで各企業が取り組んできたISOのような審査があるわけでもないし、SDGsに取り組んだからといって高く売れるわけでもありません。

ただ、ご紹介した目標12の「つくる責任、つかう責任」以外にも明らかに企業活動を意識した、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」といった項目もあり、本業事業による社会課題解決に期待が寄せられていることがわかります。

その背景を短く考察すると、昨今のグローバル資本主義の行き詰まりや、不透明感を増す未来に対する不安感、といったものがあるように思います。

では、企業はどうすべきでしょうか。SDGsは企業に何を求めているのでしょうか。

この機会に、「SDGsを活用して『持続可能な経営』に取り組み、社会的利益と経済的利益の両立を目指す」こと。双方の価値観の実現にチャレンジしていくことではないでしょうか。なお、大事なのは、あくまでもSDGsを活用することで、無理にとりいれることではありませんのでご留意ください。

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