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【深圳レポート】2021年グローバルユニコーン企業、中国301社がランクイン
※本記事は、深圳イノベーションセンター(MICS)
2021年12月20日、胡潤研究院(Hurun)は広州市商務局、広州ハイテク産業開発区と共同で「2021グローバルユニコーン企業ランキング」(Global Unicorn Index 2021)を発表した。対象会社は2000年後に設立され、10億米ドル以上の評価額を有する世界中の非上場企業になる。
今回の発表によると、現在全世界には全部で1,058社のユニコーン企業があり、42ヵ国と221ヵ都市に分布している。平均して、これらの会社の設立年数は8年ほどである。業種は81%がソフトウェアとサービス業であり、19%が製品販売をしている会社である。内、53%は直接消費者向けであり、47%はB2B企業である。ランクインされているユニコーン企業の総価値はドイツのGDPに相当する23.7兆人民元である。
ユニコーン企業の創業者の平均年齢は44歳となっているので、36歳で当該会社を設立したことになる。なお、ユニコーン企業には平均2人の共同創業者がいる。創業者の3分の1は、以前のベンチャー企業を売却したシリアルアントレプレナーである。共同創業者の40%が以前の勤務先で知り合い、8分の1が大学で出会っている。コンピュータサイエンスとビジネスは最も普遍的な専攻である。ユニコーン企業の5分の1には、少なくとも1人の外国出身の共同創業者がいる。米国、特にシリコンバレーは、海外から最も多くのユニコーン共同創設者を排出しており、ヨーロッパがその次である。
ユニコーン企業のトップ10は、ランキング企業の総額の25%を占めており、米国から4社、中国から3社、オーストラリア、イギリス、スウェーデンからそれぞれ1社である。
◆字節跳動(バイトダンス)は2.25兆元の評価額で首位だった。設立からわずか9年で、評価額は1.7兆元増加した。同社傘下にあるTikTokは世界中で30億回のダウンロード数に達したことによって、Facebookの重要な競争相手になっている。昨年5月、創設者である張一鳴(38歳)は会社のCEOを辞任すると発表した。
◆アント・グループは1兆元の評価額で2位だった。昨年の上場失敗以来、世界最大のユニコーンではなくなっている。現在、中国監督管理部門による調査を受けて、決済と貸付事業を再編しているところである。
◆菜鳥網絡(Cainiao)は2200億元の評価額で、ランキング9位である。数回の資金調達により、総額約400億元を調達した。
中国のユニコーン企業は、EC、医療ヘルス、人工知能業界により多く関わっていて、国内ユニコーン企業の総数の3分の1を占めている。
米国のユニコーン企業は、ソフトウェアサービスとフィンテック業界が多く、米国のユニコーン企業の総数の3分の1を占めている。中国と米国のユニコーン企業の50%は、ユニコーンの数が最も多い上位2つの都市、中国の北京と上海、米国のサンフランシスコとニューヨークに集中している。
中国のユニコーン企業の17%は、広東・香港・マカオグレーターベイエリアにある
中国では合計301社の企業がランクインした。企業の本部は39都市に分布しており、最も多い上位6都市は北京(91社)、上海(71社)、深セン(32社)、杭州(22社)、広州(10社)と南京(10社)であり、そのうち、評価額が1000億元を超えたユニコーンは8社である。
集計によると、中国のユニコーン企業の17%がグレーターベイエリアに本社を置いており(50社)、世界第3位の国であるインドのユニコーン企業の総数(54社)に近く、総評価額は11700億元である。グレーターベイエリアのユニコーン企業は、今後も増え続けると予想される。グレーターベイエリアの中核都市で、科創中国(イノベーション・チャイナ)のイノベーションハブ都市である広州は、総合的な優位性が際立っており、ビジネスおよび起業の総合コストが一線都市のなかで最も低くなっている。
業種別では、フィンテック業界が139社で最多を占め、ソフトウェアサービスの134社とECの122社が続いた。その他には、人工知能が84社、ヘルステックが80社、サイバーセキュリティが40社、バイオテクノロジーが31社だった。上記の分野におけるトップ企業クラスに、ほとんど中国企業が入っている。
◆フィンテック:杭州のアントグループ(1兆元)
◆ソフトウェアサービス:上海の小紅書(1300億元)
◆EC:広州のアパレル越境ECのShein(1300億元)、北京の車好多(650億元)
◆人工知能:北京の商湯科技(770億元)
◆ヘルステック:上海の平安医保科技(580億元)、杭州の微医 (450億元)
◆ビッグデータ:深センの平安智慧城市(500億元)
注目すべきなのは、世界のユニコーン企業の中で、親会社によってインキュベートされたのは49社であり、昨年は20社しかなかった。そのうち48社は中国企業である。最も多くのユニコーン企業をインキュベートしたのはアリババで、5社の実績をあげている。その次にはJDとバイドゥがそれぞれ3社である。
投資機関の分布を見てみると、セコイアが2年連続で世界で最も成功したユニコーン投資機関になり、合計206社のユニコーンを獲得し、1/5近くを占めている。その後に続くのはタイガーファンドとソフトバンクで、それぞれ147社と146社を獲得した。
ランキングでは、上位3社の投資機関が500社のユニコーンに投資しており、世界総数の約半分を占めていることを示している。同時に、セコイアチャイナは、中国ユニコーンに最も多く投資した機関でもあり、合計96社の中国ユニコーンを獲得し、その次はヒルハウス、IDGキャピタル、テンセント、CICCである。
ユニコーンの今後の予測について、胡潤研究院は「ユニコーンがバイオテクノロジー業界で最も多く誕生するとみられ、B2B企業も増えるだろう。2021年はメタバース元年。メタバース関連のユニコーン企業は生まれていないものの、このような画期的な技術により、将来的に多くのユニコーン企業を生み出すと期待できる。」と示している。
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