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2021.02.24
世界を駆ける経営

蔦屋書店、中国でも大人気

蔦屋書店、中国でも大人気…

蔦屋書店は2020年12月24日(木)上海の長寧区の「上生・新所(コロンビア・サークル)」に中国2号店をオーブンしました。コロナの影響で入店制限をおこなっているため、入店には予約が必要です。12月21日から蔦屋書店のWeChatプロブラムと公衆号から予約できるようになっていますが、既に年末までの予約は全て埋まっている状態です。

私はまず1号店へと足を運んでみました。1号店は、2020年10月18日に浙江省杭州市にある商業施設「天目里」にオープンしています。開店から1カ月間の1日当たりの平均来店者数は平日で7,000人、休日では1万人に上り、売上高も目標の1.4倍を達成しているという報道があったように、大人気となっています。

杭州蔦屋書店1号店

店内平面図

現在は入店の予約は必要なくなっていますが、私が訪問した平日でも席の半分は埋まっている状態でした。20代、30代の若い女性が多く、中にはカップルや子供連れのお母さんもいました。近くで上海語を耳にしたので、上海から来ている人もいたようです。

上記写真のとおり書店は大きく4つのエリアに分けられています。1階は3つの建物で、美術・ファッション・写真と飲食コーナーとなっています。地下1階は主に旅行・文学などのジャンルの書籍のほかに、期間限定の展示スペース(ちなみに、12/18~27は映画『HOKUSAI』展)がありました。店内はウッド調で統一されたシックな内装で、明るく洗練された都会のイメージを持ち、書籍のほかに文具雑貨、工芸品、アクセサリー、高級ギフトなど複数の業態が展示されています。

1階には独立した大きな本棚に囲まれたカフェ・レストランもあります。壁の一面がガラスでその前に座ると外から入ってくる暖かい日差しを感じられます。

本棚に並べられた書籍は、日本と同じく作者ごとになっているのでとても探しやすくなっています。中国の一般的な書店は、「近代小説」、「外国作家」などカテゴリーごとに並べられているため、探すのに時間がかかることもよくあります。

販売されている書籍の半分以上は海外からの輸入品です。決して安くはありません。例えば日本で1,300円+税の書籍は156元、700円の雑誌は71元に価格設定しています。日本の1.5倍以上ということになります。日本のファッション雑誌に付いているポーチなどの付録もそのままなので、人気があります。

蔦屋書店は、単に本を売るだけではなく、日本の文化、日本の優れた職人の匠の技を紹介しています。また、季節や祝祭日に応じて店内の展示を変えています。正月が近づいてきたこの時期には、だるまのおみくじや日本伝統の折り紙を展示しているコーナーもありました。おみくじは一つ38元で、多くの若い女性は足を止めて選んでいました。来店するたびに新しい発見があるのも人気となる秘訣なのでしょう。

 

店内のお客様に蔦屋書店に関する感想を聞いてみました。

 

<美術大学の学生>

『杭州は「中国美院」という中国トップレベルの美術大学があり、芸術やデザインを勉強している学生がたくさんいます。蔦屋書店は世界各国の美術関係の輸入本を多く取り揃えています。美術関係の本は値段が高くて普段はなかなか購入できませんが、蔦屋書店はゆったりした読書スペースがあるので落ち着いて読むことができます。』

 

<子連れのお母さん>

『子供に絵本を読んであげています。子供は買った絵本にすぐ飽きてしまうこともありますが、蔦屋書店ではいつも新しい絵本を読むことができます。絵本の本棚も子供の手が届く低いところにあるので、子供が自分で読みたい絵本を選ぶことができます。』

 

<20代女性二人>

『私は日本語が分からないのですが、日本の雑誌が大好きです。目の保養にもなるし、雑誌に載っている写真やイラストに癒されます。時々購入します。疲れたらコーヒーを飲みながら少し休憩もできます。コーヒーのお値段も手ごろでアメリカンは33元とスターバックスとあまり変わりません。』

 

<ランチを食べている30代カップル>

『評価アプリで口コミの点数が高かったので見学にきました。従業員の制服はスマートで清潔感があります。お料理の盛り付けが綺麗で味もとても美味しいです。ピンクのお皿は可愛いです。細かいところまで力を入れているのを感じます。また、サービスもいいです。こちらから呼ぶ前に注文を聞きにきたり、まめに水を足したりしてくれます。静かな環境で食事することができて嬉しいです。』

 

日本の蔦屋書店は「モノ消費」の提案から「コト消費」の提案として、「ライフスタイル」を提案する店へと変貌を遂げていますが、まさしくそれを中国においても実践していることを体験しました。それが今の都心部の中国人に支持されている理由なのではないでしょうか。

私は店内で2時間ほどいましたが本を持ってレジで会計をする人の姿はなかなか見かけませんでした。長江デジタルエリアにおいて中国の裕福層が集まっているので、有名建築家が設計し、独自の美しい空間を持っているリアル書店は少なくありません。競争の激しいなか、蔦屋書店が今後どうなっていくのかを楽しみにしています。

 上海に新しくオーブンした2号店は100年の歴史を持つ洋館にあります。書店内にアルコールを提供するバーもあるようです。新たな提案が期待できそうなので、人混みが落ち着いたら行ってみようと思います。

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