8tips世界を駆ける経営
~中国式サービスの精粋 「底層逻辑(基本的なロジック)」~ 深センEYE
「サービス精神」という日本語を直訳することが難しいぐらい、日本のサービスはお辞儀と笑顔を超えた思いやりやおもてなし等のたくさんの要素が含まれている。
対照的に且つての中国では「サービス」という言葉を聞かなかったが、経済の発展に伴い、競争が激しくなる中、中国でのサービスも変わってきている。
この中国式サービスでよく耳にするのが「底層逻辑」、つまり「基本的なロジック」である。このサービスから、世の中で名を知られている企業が輩出された。
中国版ウーバーであり、世界最大の交通プラットフォームである「DiDi」は2012年に創業して、わずか7年で日本を含めた世界各地に進出した。創業者である程維(Cheng Wei)は解決できない問題に直面した際には、真っ先に「底層逻辑」は何であるかを考えたという。DiDiのような配車サービスにおいてユーザーが求めるのは利便性だけでなく、もっとも大事なのは「確定性」が「基本的なロジック」であるとのことだ。配車アプリがない時代には道端で3分以内にタクシーを見つかる可能性が低かったが、現在は部屋の中で3分以内に配車アプリを利用して車を呼べる確率は70%以上になっている。
火鍋で有名な「海底捞」の創業者の張勇(Zhang Yong)は飲食業の「底層逻辑」は「美味しさ」ではなく「心地良いサービス」であると言っている。彼は飲食業界で味を調整して、標準化することは難しいと考えた。全てのお客様に合う味を長期間に渡り、満たすことは保証できないが、良いサービスは絶対間違いないと言っており、「海底捞」の基本的なロジック、根底にあるものはあらゆる方向で良いサービスを提供することであり、従業員達の全ての人事評価とインセンティブもサービス貢献度に基づいて出来上がっているとしている。
この有名な「海底捞」火鍋のケータリングサービスを体験してみたが、注文して1時間以内に鍋から食材、調味料までが配達され、セッティングをし、食事後には回収と掃除までしてくれる完璧なサービスであった。
「底層逻辑」は企業のコアコンピタンスとも言える。そこを突き止めることができる企業が発展できる時代になってきている、自分なりの「底層逻辑」を考え直したい気持ちである。
(執筆:姜 香花 唯来企業管理咨詢(深圳)有限公司【MICS】 副総経理)
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