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8tips最大効率の経営

2019.12.13
最大効率の経営

一気にすすむ「電子帳簿保存制度・スキャナ保存制度」に適応するには①

一気にすすむ「電子帳簿保存制度・スキャナ保存制度」に適応するには①…

(写真=画像素材:PIXTA)

2019年10月からの消費税増税では、税率が10%と8%(軽減税率)が併存することとなりました。企業としては、経理処理の負担が増えたのですが、一方で、デジタル化の流れの中で「クラウド会計」や「各種経費精算サービス」の利用が拡がってきています。

今回は、経理関係で新しいサービスの利用が増える中、中小企業の事務負担を軽減させ、生産性を高めるための手段として期待される「電子帳簿保存制度」および「スキャナ保存制度」について解説します。

 

「電子帳簿保存制度」および「スキャナ保存制度」

「電子帳簿保存制度」は、1998年に高度情報化・ペーパーレス化が進展する中で、納税者の帳簿書類の保存の負担軽減を図るため、記録段階からコンピュータ処理によって作成した帳簿書類について、電子データ等により保存することを認めるために創設されました。

さらに、2005年には「スキャナ保存制度」が創設され、相手方から受け取った見積書、契約の申込書、請求書等の書類が対象とされ、個別企業の保存量の9割を超える書類の電子化が可能となったことで大幅な負担軽減効果が期待されましたが、2005年から10年間のスキャナ保存制度の承認件数は、累計で133件(2014年6月末時点)と普及は進みませんでした。

 

普及しなかった原因としては、同制度の対象が記載金額3万円未満、電子署名が必須、などの要件に関するハードルが考えられたのですが、2015年にこれらの要件が廃止され、さらに2016年にはスマートフォンで社外からの読み取りを可能とするなどの手当てがされたことで、2019年10月末時点で、スキャナ保存制度の承認件数も累計で2,898件となりました。ちなみに、「電子帳簿保存制度」に関する承認件数は累計で22万件を超えています。

 

直近の2019年度税制改正では、2019年9月30日以後にスキャナ保存制度の適用を受ける場合には、過去の領収書等についても適用を受けられることになり、今後、利用促進が見込まれます。(それまでは、スキャナ保存制度の承認を受ける前に作成された領収書等は対象とならず、スキャナ保存による保存コストの削減効果が限定的となっていました。)

また、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証を受けた市販のソフトウェアを利用する場合は、電子帳簿保存制度及びスキャナ保存制度について簡素化した承認申請書で申請することが可能となりました。申請者の手続負担が軽減することが期待されています。

 

さらに、2020年度の税制改正で議論されている見直し点は、電子的に受領した請求書等をデータのまま保存する場合の要件として、以下の2つを追加するという点です。

① ユーザー(受領者)が自由にデータを改変できないシステム(サービス)を利用

② 発行者側でデータにタイムスタンプを付与

クラウド会計や経費精算サービスを利用する場合、これらのサービスでデータが適正に保存されていれば紙での領収書等の受領やスキャンが不要となるため、これらのサービスの利用拡大とともに電子帳簿保存制度やスキャナ保存制度の利用が大幅に促進すると考えられます。

 

今後、2023年には「消費税に関するインボイス制度」が開始することで、企業の帳簿書類の管理はさらに複雑化することが予想されます。電子帳簿保存制度やスキャン制度の導入はすべての企業経営にとってますます重要性が高まってきており、社内システムを変更する場合には、これらの制度に対応できるかを事前に検討する必要があります。

 

(次回は電子帳簿保存制度、スキャナ保存制度の具体的な内容について解説します)

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