8tips最大効率の経営
ニューノーマル時代に大事にしたい経営指標
目下、多くの企業で新型感染症の状況に適応していくことが求められています。よく、以前と比べて「7割経済」といったいい方をされることがありますが、これまでとは異なる経営感覚を持たれている方も多いと思います。こんなときこそ、将来に向けた行動を決めていくための「経営指標」が重要です。
今回はそんな経営指標の一つを取り上げてみたいと思います。
指標(1):(現在の)受注総額と受注残
損益計算書(PL)を意識すると、「売上高」に注目しがちですが、売上高は「既に計上済(既に販売やサービス提供が完了)のもの」=過去のもの、に過ぎません。
将来に活かすという視点では、過去に完了した売上高ではなく、以下の観点から、受注総額と受注残に注目することが重要です。(売上高は、受注総額から受注残を差し引けば、把握できます。)
① 受注総額の内容を知り、将来の売上に転換するタイミングと見込みを知る。
② 現状の受注残を把握し、機会損失が出ないように打ち手を考える
変化が早く、先が予測しづらい環境の中、どのようなニーズがあり、そして、それに最大貢献する体制が整っているかは重要な指標になりますし、この指標をベースにすれば、全社・全グループ一丸となって展開することができるのではないでしょうか。
どちらの指標も、仕組みを作り、毎日積み重ねることで把握可能なところも、変化に適応するのにふさわしく、社員の行動にすぐつなげられる点でも効果的だと思います。
実際にどのように考えればいいでしょうか?製造業で具体的にあった一例を挙げましょう。
【受注総額】例年ベースの70%しかなく、基盤収入が大半
→基盤収入の周辺ニーズを整理し、自社で貢献できるものを10%増やす
→新規エリアを拡大し、自社の貢献地域を10%増やす
→今まで想定していなかった新規事業の種(シーズ)から半年後に10%分
受注できるように活動する
など、受注を補う行動に。
【受注残】例年ベースの想定水準の85%と見込まれる
→受注回復の兆し、生産水準のシフトによる影響を最小限に。
→他社も同様の可能性があり、材料欠乏、ライン不足に注意
→操業度を工夫し、残業時間をゼロに、稼働率10%向上運動を展開
など、機会損失を回避する行動に。
いかがでしょうか?
財務指標と言われる数字の欠点は、集計に時間がかかることから、どうしても「情報の鮮度感」が落ちてしまうことにあります。このため、財務指標のもとになっている「日々積み重ねれば補足可能な数字・指標」を活かすことがますます重要になります。
また、財務指標のもう一つの欠点は、「指標をどう行動につなげればいいかとにつながらず、活かしきれない」ところにあります。このため、財務指標のもとになっている「誰もが分かりやすい数字・指標」で把握することが、行動に転換するためには有効です。
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