8tipsリスクに備える経営
コロナ対策:(特集)『緊急事態宣言』が発布されたらどうすべきか 後編
◆コロナ対策:(特集)『緊急事態宣言』が発布されたらどうすべきか 前編はこちら
事業継続計画(BCP)が策定されていない場合の対応
災害時のBCPを策定している場合は、そのBCPに基づき、制約を受ける事業の対象や範囲について適応していただく必要があります。
一方、災害時のBCPを策定してない場合、かつ、ライフライン、交通機関、金融、食料品・生活必需品等の製造・販売等を中核事業とする事業(以下、「社会機能維持事業」といいます。)に該当しない場合は、事業活動に制約を受ける可能性を踏まえ、以下対応について、あらかじめ、整理・検討していただくことをおすすめします。
なお、感染症による緊急事態宣言では、事業活動そのものに制約が加わるのではなく、「外出」「集会」といった事業活動をおこなう中でついてまわる「行動」に対して一定の制約がかかる、との前提が想定されます。すなわち、個別企業における「判断」が必要になると考えられます。
検討しておくべき対応 <チェックポイント>
不要不急の業務の明確化(「社会機能維持事業」以外の業務)
従業員、お客様の安全を確保しつつ、どの業務を縮小、一時停止(期間を含む)、在宅対応とするか検討してください。
従業員の一時帰休
事業が停止された場合、従事する従業員については、一時帰休となることが想定されます。どのように対応するか検討しておいてください。
在宅・テレワーク勤務
通勤での外出を回避するために、在宅勤務・テレワークを取り入れる際に、ルールが策定されていない場合、以下を確認してください。
人を集めるイベント
一定条件を満たす場所において、一人の感染者による感染拡大事例が報告されています。実施方法の変更、中止・延期を検討してください。
感染予防・感染・罹患時の対応
日々、感染拡大が報道されています。その際に社内での対応について事前に検討してください。
サプライチェーンの確認
自社内には罹患者がいない場合でもサプライヤーからの影響で事業が中断することもあります。サプライヤーの対応を検討してください。
資金の確保
感染が拡大し、事業縮小や中断になると資金の余裕がなくなることもあります。資金繰りを含め対応を検討してください。
従業員の「安心」確保のために
生活物資の不足が深刻化する可能性があり、かつ、外出が制限されることもあります。必要に応じて会社内で災害対策用に備蓄している備蓄品、会社をとおして取引先からの追加購入できる備品を手配し、従業員へ配布することも検討してください。
社会貢献
事業縮小や中断といった後ろ向きな取り組みだけではなく、もし、余力があるとしたら、現在の業務の中で、お客さまや社会へ提供できるサービスがないかをぜひ検討してください。
(参考)休校をうけて提供されている学習・娯楽支援の例
大事なのは「平常心」、社会の規範となる協力要請を
現在、デマによる衛生用品の買い占めなど、適切ではない行動が報道されています。一個人単位で考えると、理解できないことはないのですが、社会の公器である企業として、ぜひ平常心を保つよう呼びかけをお願いします。
在庫が潤沢にあるモノでも消費者が必要以上に買いだめをすることによって本当に必要な時に必要なモノが手に入らなくなります。マスクや消毒薬が良い例だと思います。また、そのことで当該事業者が過酷な労働を強いられることもあります(マスクの国内メーカーは24時間体制で通常の3倍の増産をしています)。同様のことがほかのモノにもおきるとメーカーや働く従業員(もちろん物流を含めたサプライチェーン全体)へ過大な負荷をかけることにもなりかねません。
是非、以下「消費者の5つの責務」をご参照に、冷静な対応を促す取り組みをお願いします。
【消費者の5つの責務】
i.批判的意識 (Critical Awareness)
商品やサービスの用途、価格、質に対し、敏感で問題意識をもつ消費者になるという責任
ii.自己主張と行動 (Action)
自己主張し、公正な取引を得られるように行動する責任
iii.社会的関心 (Social Concern)
自らの消費生活が他者に与える影響、とりわけ弱者に及ぼす影響を自覚する責任
iv.環境への自覚 (Environmental Awareness)
自らの消費行動が環境に及ぼす影響を理解する責任
v.連帯 (Solidarity)
消費者の利益を擁護し、促進するため、消費者として団結し、連帯する責任消費者の利益を擁護し、促進するため、消費者として団結し、連帯する責任
出典:消費者の権利と義務
http://kanshokyo.jp/highschool/cnt_cnsm/cc0201.html
事業継続のために
事業継続をするには会社と従業員、相互の協力が不可欠です。今回の新型コロナCOVID-19は、目に見えない不安とどう向き合うかが問われていますので、企業としては、従業員を守る対策が最優先です。
企業は従業員を守る姿勢を明確に打ち出し、従業員は家庭も含めて感染防止に協力し、さらに、社会規範を適切に保つこと。これが本当の意味で感染防止への近道になるのではないでしょうか。
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