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8tipsリスクに備える経営

2020.03.12
リスクに備える経営

中国(上海)レポート②<隔離生活編>

中国(上海)レポート②<隔離生活編>…

隔離生活が始まって1週間が経過しました。

WHOが新型コロナウイルス(COVID-19)についてパンデミックを宣言しましたが、中国では湖北省や武漢市で特定業種(防疫・公共インフラ・世界的なサプライチェーン)の企業活動再開が許可されました。

ホンダ(東風本田汽車)の武漢工場も生産を開始しています。
中国は新たな感染者数が連日二桁にとどまっており、湖北省以外での感染者も一桁で推移しているものの、そのほとんどは海外からの渡航者となっています。
今、中国では、国内での感染対策を維持しつつも、海外からの流入阻止に躍起になっていて、私が隔離生活を強いられているのもその対策の一環というわけです。

 

隔離生活の主なルールは、外出・面会の禁止と毎日2回の検温です。
運用は小区(集合住宅)ごとに若干違っているようですが、私の小区ではWeChat(中国ではポピュラーなSNS)のグループチャットに検温結果を報告し、その後係員が自宅へ確認に来ます。係員へは口頭で体温と計測箇所を伝えるだけですので、虚偽の報告をしてもわからないと思われます。もちろん、虚偽の報告をしませんが、係員は私の2m以内に近付くことはありません。小区によっては、係員の立ち合いで計測しなければならなかったり、計測の動画を報告しなければならないところもあるようです。

 

驚くのは、我が小区の隔離者グループチャットです。私が加入した当初は医療関係者・小区関係者を除いて10名足らずでしたが、今や40名を超えています。その中で約2/3が日本人です。要するに、14日間の隔離を覚悟で中国に入国してきている日本人が急激に増えているということです。
どんなお仕事をされている方々なのかはわかりませんが、それだけ日本と中国は経済的結びつきが強いということを改めて感じます。

 

前置きが長くなりましたが、今回は上海をはじめとする長江デルタ地区に駐在する外国人も登録・活用している「随申碼(日本語読みではズイシンマ)」を紹介したいと思います。
「随申碼」とは簡単に言えばスマホのQRコードを使って、防疫期間中の各種施設等への入退管理を効率化しようとするものです。
私の場合は、自宅についてから支付宝(アリペイ)アプリを通して登録したのですが、登録後、個人別のQRコードが与えられ、これが3段階・3色に分かれています。

赤:医療管理処置が解除されていないなど、感染の疑いが排除されていない(隔離が必要)

黄:重点地域から上海に来て14日未満(観察が必要)

緑:医療管理処置を解除したか、異常がない(通行化)

緑であれば 随申碼QRコードで管理している施設や移動チェックポイントでの出入りが可能ということになります。
登録当初は私も緑色だったのですが、2日ほど経って黄色になりました。私が上海に来て14日未満だということが、なぜ判定できるのかはわかりません。位置情報に基づいているのかもしれません。

 

中国における個人情報はお互い合意の上で、知らないうちに使用されているのだと思います。これは中国国民が「個人情報保護」よりも「生活利便性」を優先しているということでしょう。

いずれにしても、早く緑になって自由に外出ができるようになりたいものです。
なお、気になるのは、こっそり部屋を抜け出したらどうなるのか、ということですが、もし見つかった場合には、自宅ではなく指定施設に移されさらに厳しい監視下におかれるそうです。

 

続報)上海入国情報
先日のコラムでは、空港到着から自宅まで6時間を要したことをレポートしましたが、(参照:https://www.miraic.jp/online/8tips/category/tip01/3328.html

最近では浦東空港到着から空港を出るまで1時間、その後社有車を使って自宅で解放されるまで1時間、計2時間との話を聞きました。
検疫手続きがルーティン化されてきたことと、入国者の減少が主な要因のようです。ご参考までに。

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