8tips右肩上がりの経営
ご存知ですか?「デザイン経営」真の意味
経済産業省・特許庁が推奨する「デザイン経営」をご存知でしょうか?
もしかすると、「<見た目のデザイン>を変えて、ものが売れたり会社のイメージを良くすること」というような誤解をしてはいないでしょうか?
「デザイン経営」の真の意味や手法を知ると、先行き不透明なこの時代に、経営を変革し成長させる一つの指針となるかもしれません。
経営の指針となり得る「デザイン経営」
「デザイン経営」という言葉を経済産業省・特許庁が打ち出したのは、2018年5月のこと。経営に携わる皆さんであれば、耳にしたことがあるかもしれません。簡単に言えば、経営にデザインの考え方を取り入れて企業価値を向上させ、企業の持続力を高めていこうという経営手法です。具体的に取り組むべきデザインとして、次の3つのキーワードが示されています。
「人格形成」=自社の思いや自社らしさを明確にし、未来の自社の姿を描く
「文化醸成」=自社の思いや自社らしさを社内外に伝え、共感と共創の土壌を形成する
「価値創造」=自社の思いや自社らしさと人々のニーズを基に、魅力ある商品やサービス、事業を創造する
この3つを行き来しながら、企業の価値を高め、持続力を向上させていくのがデザイン経営の考え方です。つまり、根幹となるのは「自社の思い」「自社らしさ」の見つめ直しと明文化であり、その資源や価値を軸にして「どんな未来を描きたいのか」を社内外で共有し、それに向かって新ビジネスや新製品を創造していくのが「デザイン経営」です。これらは、成長する企業には必要不可欠な要素であり、言い換えれば、持続する企業は全て「デザイン経営」をおこなっているはずです。「デザイン経営」の真の意味を知り取り組むことは、経営の大きなヒントになりそうです。
デザイン経営とは「経営をデザインする」こと
一方で、「デザイン経営」という言葉を少し誤解している経営者も多いようです。「デザイナーに見栄えの良いパッケージをデザインしてもらい商品を一新する」「会社のロゴデザインをかっこよくしてもらいイメージを良くする」。これも確かにデザインの力の一つではありますが、本来「デザイン」とは「見た目」だけを変えることではありません。たとえば、商品が持つ価値や魅力を明らかにし、ステークホルダーの心を動かすストーリーやビジュアルを考え最も効果的な手法で伝えたり、会社のパーパスや価値を明文化し、社内外に共有するためのツールや手法を考え、共感を広げていくこと。「自社にしか無い価値」「らしさ」はどこにあり、それをどのように広げ会社を成長させていくのか、未来に向かって経営をデザインすることこそが、「デザインの力」なのではないでしょうか。
伸びゆく企業の経営者は、優れたデザイナーをパートナーに持っている場合も多いものです。その関係性は、単なるデザイン業務の受発注ではなく、「未来を共に創るパートナー」であることが重要です。デザイナーは経営者と定期的にディスカッションをし、経営者の使命や心に描く未来像をくみ取り、言葉にし、形にして、共感醸成を支援します。心を動かしたいステークホルダーや目的によって、その表現や手法は変化しますが、根幹にあるのは「自社らしさ」「価値」の具現化です。自身の強みや価値を表すことができていない経営者は意外に多いものです。デザイナーはそれを引き出し、整理し、時には翻訳して形にすることが、最も重要な仕事といっても良いかもしれません。そう考えると、コンサルタントもデザイナーの一種なのかもしれません。経営者に信頼されるコンサルタントも、経営者の真意をくみ取り、何が課題かを整理し、強みや価値を活かしながら次の一手を共に考え実行していきます。経営者のパートナーになるには、デザインの視点を持っていなければ一緒に未来を描くことはできないのです。
「自社らしさ」を見つめ直し、持続する経営へ
先日、経済産業省北海道経済産業局とともに、北海道でデザイン経営に取り組む経営者の方たちを取材し事例集を制作する機会をいただきました。(「自社らしさが未来を変えるー北海道デザイン経営実践事例集―」https://www.hkd.meti.go.jp/hokip/20250422/index.htm)。登場していただいた経営者の皆さんが皆、日頃から「デザイン経営」という手法を意識して取り組んでいるわけではありません。しかし、変革し成長を続ける経営者を取材してみると、その考え方や手法はまさに「デザイン経営」なのです。視点を変えると、「どうしてあの企業はあんなに成長しているのだろう」と感じた時、「デザイン経営」の考え方や手法を経営に取り入れ「自社らしさ」や「自社の価値」を見つめ直してみると、まだまだたくさんの成長のタネやヒントがあるかもしれないということです。
ぜひ「デザイン経営」について興味を持っていただき、自身の経営を改めてデザインしてみてはいかがでしょうか。
<参考サイト>
特許庁
https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei.html
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