中小企業のデジタル化はスモールステップで

みなさまの会社ではデジタル化は進んでいますか?「取り組まないといけないのはわかるけど、何から始めたらいいかわからない」「うちは中小企業だから、お金をかける余裕がない」といった声をよく聞きます。今回は、デジタル化をもっと身近に感じてもらうために、ある中小企業の例をご紹介します。
中小企業のデジタル化成功事例
このお客さまは、売上3億円くらいの建設会社で、特に小さな工事が多い部署の赤字が問題でした。小さな工事をたくさん請け負うので、現場での作業が中心であり、たとえば原価管理のようなことはしておらず、利益が見えないことが課題の一つでした。そこで、タブレットを購入し、簡単に工事の原価を集計できるアプリを導入しました。毎日、現場でその日の材料費や人件費を入力することで、その日のうちに今月の売上状況と、現場ごとの利益がわかるようにしたのです。その結果、現場の作業員に利益を意識する気持ちが芽生え、売上が足りなくなりそうな月は積極的に仕事を取りにいくなど、行動が変わっていきました。
また、もう一つの課題として、売上の確保がありました。適正な価格で仕事を受けることと、小さな工事なので見積もりを出すスピードも、仕事を取るために大切な要素でした。そこで、見積もりを作成するアプリをタブレットに導入し、施主や元請業者との最初の打ち合わせで、その場ですぐに見積もりを提示できるようにしました。その結果、工事の数を確保し、かつ適正な価格で仕事を受けられるようになりました。これら二つの課題を解決したことで、その部署が黒字になったのは言うまでもありません。
成功のポイントは「スモールステップ」と「クイックウィン」
この事例の成功のポイントは、①安い費用でデジタルツールを導入したこと、②使いやすいツールを選んだこと、③完璧さを求めず、まずは導入してみたこと、だと考えられます。
デジタル化というと、システムをゼロから作って進める、と考える人も多いかもしれません。しかし今は、世の中に安い費用で使いやすいクラウドツールがたくさん出ています。中小企業では、自社の業務に合わせてシステムを作るのではなく、一般的なクラウドツールに自社の業務を合わせていくのも、安い費用でデジタル化を進めるコツです。
また、「うちはこうしているから」「この情報も入れたい」とあれこれ注文をつけて完璧さを求めると、なかなか導入が進まず、複雑になって使いにくくなることも多いです。まずは60点くらいの出来栄えでよいので、とにかく導入して使ってみるという姿勢が大切です。
人間は変化を嫌う生き物なので、これまでのやり方と違うことに抵抗を示すものです。デジタルツールを導入した結果、「少し楽になったな」「〇〇がわかるようになった」といった「クイックウィン=小さな成功体験」が、次の導入につながります。
このように、中小企業のデジタル化のポイントは「スモールステップ(小さな一歩)」と「クイックウィン(小さな成功)」です。便利そうなデジタルツールがあったら、まずは試してみるくらいの気持ちで取り組むと、自然とデジタル化が進んでいくのではないでしょうか。
みらいコンサルティングでは、中小企業のさまざまな業種のお客さまに対し、デジタル化支援の実績がありますので、お気軽にお問い合わせください。
【関連記事】
会社経営についてご相談ください
- 課題を明確にしたい。
- 課題解決の方法がしりたい。
- 課題の整理がしたい。
- セカンドオピニオンがほしい。
企業経営に関するプロフェッショナル集団が
お客さまの状況に合わせてご相談を承ります。