なぜ、私たちは「LeRIRO福岡」を応援するのか?(シリーズ第6回)小さな変化を生み出した、専門家の視点 × 元選手の共感力

※村田祐造氏の研修用スライドより抜粋
このシリーズを通して、私たちはルリーロ福岡の「デュアルキャリア」モデルを支えるなかで、数多くの困難と、それを乗り越えるための学びを得てきました。特に、選手たちがラグビーと仕事の双方で活躍するための支援は、一筋縄ではいかない挑戦です。
今回は、シーズンオフに出会った心強いパートナーと、その協力によって選手たちに生まれた「小さな変化」についてお話しします。
新たな共創パートナーとの出会い
リーグワンの激しい戦いを終え、シーズンオフに入った頃、私たちはチームのパートナー交流会に参加しました。そこで出会ったのが、スマイルワークス株式会社の代表取締役、村田祐造氏です。
村田氏は、元ラグビー選手であり、引退後にビジネスの世界に転身された経験をお持ちです。その経歴は、私たちがルリーロ福岡の選手たちに目指してほしい「デュアルキャリア」をすでに体現されているものです。

(村田氏の経歴はこちらから:https://www.keiomcc.com/faculty/muratayuzo/)
話を聞くうちに、村田氏が目指している「スポーツ経験を通じて培った力を、ビジネスの場で活かす」という世界観が、私たちがシブスタ事業を通じて目指すものと非常に近いことに気づき、すぐに意気投合しました。
そして私たちは、スマイルワークスが提供する実践的な研修と、みらいコンサルティンググループが提供する内省を促す週報システム「ココロの共有」を組み合わせた、新しい支援の取り組みを実践していくことになったのです。
元選手だからこその「共感力」
実際に村田氏の研修に参加させてもらうなかで、私たちは一般企業に属する私たちの視点とは違う、ラグビー経験者ならではの深い視点があることに気づきました。
たとえば、研修は仕事後の疲れている時間帯におこなわれます。そのなかで、一方的に「あるべき論」を教え込むのではなく、現役選手としての現実の状況をそのまま伝え、選手たち自身に「どうすれば変われるか」を深く考えさせる手法が取られていました。
特に印象的だったのは、元選手だからこそわかる、「行動承認の解像度の高さ」です。
これは、単に「頑張っているね」と褒めるのではなく、練習後の時間を使って研修に参加していること、不慣れな仕事と競技を両立しようと努力していることなど、彼らの日々の行動や努力を、非常に具体的で説得力のある言葉で認めるということです。
これにより、選手たちは心理的な安全性を感じながら、自分たちの課題に向き合うことができているようでした。ビジネスパーソンとしての専門的な知識提供と、元選手としての深い共感力が、効果的に結びついていたのです。
見えてきた「小さな変化」
村田氏の研修が始まり、並行して私たちの週報システム「ココロの共有」を続けてもらった結果、私たちにはわずかながらも明るい変化の兆しが見えてきました。
ルリーロ福岡の後藤GM(ゼネラルマネージャー)からは、「研修への参加と、チーム練習への参加(意欲)が比例しているようだ」という発言がありました。これはつまり、ビジネスパーソンとしての意識が高まることで、本業であるラグビーへの取り組み姿勢にもよい影響が出始めていることを示唆しています。
また、ある選手からは、「『ココロの共有』で週報を書くために、仕事の振り返りをするようになった。どうすればもっと効率よく仕事ができるかを考えるようになり、結果的に残業が減ったと感じる」というコメントを聞くことができました。
これは、私たちが目指す「内省を通じて成長を促す仕組み」が、実際に選手の行動と意識に変化を生み出している証拠です。
諦めずに進む、その一歩一歩
変化を生み出すプロセスは、決して劇的なものではありません。それは、地道な努力と、このような「小さな変化」の積み重ねによってしか進まないのです。
私たちが目指す、地域の企業を元気にし、選手たちが仕事とラグビーの両方で輝くという「ありたい姿」に立ち返ると、今いる場所からは途方もなく遠い道のりのように感じることもあります。
しかし、この小さな変化こそが、私たちが目指す大きなゴールへの確かな一歩です。村田氏という心強い仲間を得て、私たちは改めて、この挑戦をあきらめずに進むこと。そして、その一歩一歩の成長を見逃さず、共に喜び合うことの重要性を再認識しました。2年目のシーズンを目前に控え、この熱い気持ちをさらに強く持ち続けたいと思います。
