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2021.10.14
真のデジタル経営

DXの目的を考える

DXの目的を考える…

世の中では、「デジタルトランスフォーメーション」いわゆる「DX」という言葉が溢れています。

そのなかで「なぜDXなのか?」などのDXを実施する理由(WHY)についての記事や、どうやったらDXが成功するか?という手法(HOW)についての記事をよく見かけるようになりました。そこで、今回は「DXのゴールとは何なのか?」という目的(WHAT)についてご説明したいと思います。

 

「DX」をどのように定義しているかというと、経済産業省が『ITシステム2025年の崖克服とDXの本格的な展開』の中で、

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

と定義しています。

 

定義は「キーワード」一言でしてほしいものですが、「正確に伝える」ために長文になったのかと思います。

ただ、よく読んでみると確かに正しい表現と感じます。この中で注目してほしいキーワードがあります。それは最後の言葉である「競争上の優位性を確立すること」です。これが、「DXを何のためにやるのか?」の答えです。つまり、DXによって最後に得られるものが「競争上の優位性」でなければならないということです。あたり前のことかもしれませんが、非常に大切な概念になります。逆に言えば、「競争上の優位性」に該当しないことはDXではないとも言えます。

では、「競争上の優位性」とは何でしょうか。一般的に、「競争優位性」には3つの戦略があると言われています(下記参照)。

そのなかでも中小企業にとって、大切な戦略とされているものは「差別(差異)化戦略」です。中小企業白書でも「差別(差異)化戦略」をとっている企業ほど労働生産性が高いというデータも出ています。

ここで、考えたいのが「差別(差異)化とは誰に対して実施するものか」、という問いです。

以前は、「顧客」に対して「戦略の差異(違い)」を意識することだけでよかったのですが、働き方改革や労働人口の減少によって、「従業員」に対する「働きやすさ・働きがいの差異(違い)」も意識する必要が出てきました。具体的には「テレワーク」などの働きやすさに関する環境準備や「従業員満足度の向上」といった施策が該当します。

つまり、現代においては、DXによって生み出せなければいけない「競争上の優位性」は、顧客と従業員」に対する差別(差異)化であるということになります。

 

言い換えれば、この優位性をどうやってDXによって生み出すか?を考え続けることが経営の肝になるということです。経営者にとっては、「競争上の優位性」は日々考えていることだと思いますので、「DXに踊らされず、当たり前のことを当たり前にやる」と言えるかもしれません。

 

これを踏まえてDXでやるべきことを整理してみます。

競争上の優位性の戦略である「低コスト」「差別(差異)化」を横軸、「差別(差異)化」のターゲットである「顧客」「従業員」を縦軸でマトリックスにした図が下記になります。

ここでは、「顧客と従業員への差別(差異)化」に対するDX施策を「攻め」、それ以外の業務オペレーレーションの改善などのDX施策を「守り」と定義します。

なぜ定義が必要かと言うと、それぞれ目的が異なるためです。

「攻め」と「守り」は目的に応じて下記のような「目標」を設定することが一般的です。

「攻め」=「差別(差異)化」戦略=業績向上の目標

 「守り」=「低コスト」戦略=コスト削減の目標

 

具体的な例としては、「営業プロセスの改善」でSFA・CRMなどの顧客管理システムの導入をしたとします。

会社としては「攻め」のDXとして「業績向上」を目標としたとしても、「社内」の営業プロセスの改善だけを実施して、肝心の「業績」が上がらなかった結果、「SFAやCRMは使えない!」となり、システム導入自体をやめてしまうケースなどもよくあります。

今回のケースですと、本来は「社内の営業プロセス改善=守り=コスト削減の目標」が正しいことになります。つまり、システム導入が問題だったのではなく、「目的」の設定が誤っていることが問題だったということです。「守り」の施策に「業績向上」の目標を設定しても効果は出ません。

 

「顧客」に対して「差別(差異)化」するということは、顧客自体がデジタル化によって感じる「顧客体験」が変化することです。例えば、今までリアルだけの接点であったサービスがウェブ上でも体験できるようになることです。繰り返しの説明となりますが、社内の営業プロセスをデジタルによって改善したとしても、顧客の視点では「顧客体験」としては何も変わっておらず「差別(差異)化」はされていないということを「区別」しておくことが非常に大切です。

 「攻め」と「守り」を「区別」することができると、ステップを2つに分けて、最初は「守り」、次に「攻め」の施策と目標設定をしていくことが可能になります。

今「攻め」なのか「守り」なのかを意識し、それに合った「目標」を設定するとうまくいく確率が高まります。

 

  DXは「攻め」と「守り」両方の施策を通じて「競争優位性の確立」をしていくことです。

 

ぜひ、貴社の「DX」の施策は「攻め」と「守り」どちらを実施しているか?を一度確認して、それに合った目標設定で「競争上の優位性の確立」を目指していきましょう。

 

 

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