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8tipsリスクに備える経営

2020.06.03
リスクに備える経営

他国から学ぶ、危機管理のあり方 〜事前に計画しておくことの意味〜

他国から学ぶ、危機管理のあり方 〜事前に計画しておくことの意味〜…

(写真=画像素材:PIXTA)

このたびの新型コロナウイルス感染症は私達の生活を大きく変化させました。ほとんどの人が経験したことのない、ライフスタイルや経済活動などへの多大な影響が発生していることはご周知のとおりです。

 そんな中、我が国と同様に、ドイツにおけるコロナウイルス感染者の致死率の低さが話題となっています。日本集中治療医学会の声明(2020/4/1)によると、ドイツの感染者の致死率は1.1%に抑えられています。単純に比較すべきではありませんが、同じヨーロッパにあるイタリアの致死率11.7%のわずか1/10程度の水準です。

 

ドイツの致死率が周辺国より低い要因は?

 この要因はどこにあるのでしょうか?

 

ひとつには「医療体制の充実」が挙げられます。加えて、高齢の親とは同居しない・自宅隔離がしやすい広い住居に住むなど「ライフスタイル」にも要因があると言われています。

 しかしながら、最も大きいと感じる要因は、ドイツの国民性を表す“ジャーマンアングスト”と呼ばれる、「先行きを不安視する考え方」にあるのではないでしょうか。

 実際に、ドイツでは今から7年前の2013年に、世界規模のウイルス感染が起きたら自国にどのような影響があり政府はどう動くべきか、シナリオ分析を実施しています。そのようなシナリオが政府により発表されていたため、結果として、医療体制の整備やテレワークへの移行に関して、スピード感のある対応が実現できたとのことです。

 

企業経営において学ぶべきポイント

 この事例は“企業経営”に対しても示唆を与えてくれるのではないでしょうか?

 

 「事前に最悪のシナリオを想定し対策を検討しておくこと」と、「非常時が発生してから対策を検討すること」では、スピード感や効果に雲泥の差が発生するのは自明です。

 このような非常時に備えたシナリオ作りはBCP(事業継続計画)と呼ばれます。中小企業庁の定義によると、「企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画」のことです。

 さて、今回のような未曾有の事態、世界的に交流が遮断され、経済活動が一気に停止する異常な状況を、誰が想定していたでしょうか。あげ足をとるつもりはありませんが、上述の中小企業庁の定義をみても、想定していたとは思えません。もちろん、私たちにとっても「完全に想定外」でした。

 

 世界は確実に複雑化しています。未知のウイルスによる感染再発生はもう「あり得ないこと」ではありません。この状況が少し落ち着いたら、いま一度、BCP(事業継続計画)を見直して、もしくは、策定してみてはいかがでしょうか。コロナウイルスの世界的感染を単なる「悲劇で終わらせるのではなく、未来に向けた教訓として、活かすことが重要なのだと考えます。もちろん、書面で策定するだけではなく、もしものときに現場が行動できるよう、継続的に訓練をおこなっておく(たとえば、テレワークに慣れておく、といったようなこと)も大事です。

 もし、日常業務もあって自社だけではなかなか推進が難しい、ということがありましたら、外部コンサルタント等へサポートを依頼することも有効です。

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