8tipsリスクに備える経営
- 2019.10.18
- リスクに備える経営
投資は新たな働き方の一つ
近年、老後をはじめとする将来への不安を抱えている人が増えています。ロンドン・ビジネス・スクールの教授であるリンダ・グラットン氏は、著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』において、2007年生まれの2人に1人が100歳を超えて生きるとして、“人生100年時代”の到来を予測しています。特に日本では、定年後も30年ほど生活を維持しなければならず、将来に対する不安は尽きません。
投資が普及しない日本の現状
不安を解消するためには、早い段階から老後資金の準備を始める必要があります。それも、お金をそのまま寝かせておく「貯金」ではなく、自ら資産を育てる「投資」へ回し、効率よく資産を形成していかなければなりません。それに欠かせないのが、金融リテラシーを高めることです。
しかし日本では、株式投資や投資信託、債券などに投資している人は少なく、欧米と比較しても資産が現金・貯金に偏っています。日本銀行統計局が行った調査でも、日本における家計の金融資産構成は、米国やユーロ圏と比較して、有価証券ではなく現金・預金が圧倒的に多く、半分以上を占めていることが明らかになっています。
※「資金循環の日米欧比較」日本銀行統計局
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf
なぜ日本では投資をする人が増えないのか ?
投資に対するマイナスイメージがあることが、理由として考えられます。こと日本では、戦前・戦後の貯蓄政策にはじまり、家庭内教育として貯金の重要性が伝えられてきました。投資はギャンブルの延長といった印象が強く、“お金を育てていく”という発想が養われていないのが現状です。
三菱UFJフィナンシャル・グループが行った調査によると、「投資(口座開設)を検討したことがない」と回答した人は、その理由として「十分な知識がない」「損をするのが不安」「難しそう・敷居が高いから」などを挙げています。投資で稼ぐより、働いて稼ぐのが日本人の常識なのです。
将来の生活を守るために
しかし、投資は決してギャンブルではありません。必要な情報を収集し、データを分析したうえで、適切な投資案件に投資していく。それは、経済指標や企業業績などの数値に裏付けられた行動であり、ギャンブルのようにリスクとリターンを無視して一喜一憂することとは大きく異なります。
自分の将来を自分で考え、資金を投じていくことは、自立心を養い、年金や社会保障に頼らない人間を作ります。それは、見方を変えれば、自らの頭を使ってお金を運用していくという、新しい働き方とも言えます。今は、投資に対する認識を変え、行動することが求められているのです。
(執筆:立石守 みらいウェルス株式会社 代表取締役)
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