8tips社員が幸せな経営
地方でも優秀な人材を採用できる!
都市部から離れた地方の企業からよくいただく悩み事として、採用難があげられます。「優秀な人材はみんな大都市圏に出ている」「過疎地域でそもそも若い人がいない」といった声を多く聞きます。
確かに生産年齢人口や若い人の動態が都市部に向かっているのは事実であり、求職者が少なく企業間で取り合いになるわけですから、過去と同じ採用の仕方をしていたのでは厳しいものとなるでしょう。しかし働き方や採用方法を工夫することで優秀な人材を集めている企業もあります。今回はそんな企業の事例をご紹介します。
事例①
財務・経理・海外対応の管理担当者として東京在住者を採用。居住地は変えず普段はリモートワークにより業務。月1~2回本社に集まり、会議での情報共有や施策検討。
事例②
山間部に位置する企業であり、営業担当者として県庁所在地在住者を採用。居住地は変えず週1回本社に集まり情報共有や対面でのコミュニケーション。同地に営業拠点を設置することで新たなマーケット開拓にも寄与。
事例③
地方都市の企業でありながら大都市圏や海外から優秀なエンジニアを集積。生活費の低さ、スキーやアウトドアといった趣味など、地方での豊かな暮らしをアピールし、それを志向する人材が応募。
これらの事例からは、「場所を問わない」といった共通点が見えます。現在では、ウェブ会議や多彩なコミュニケーションツールなど、手軽にリモートワークができる環境が整っているため、離れていても可能な業務の幅がかなり広がりました。もちろん遠隔ではできない職種もありますが、仕事の仕方や業務プロセス、はたまた拠点戦略自体を見直すことで、都市部の優秀な人材を採用しその力を大いに発揮する場をつくることができます。
この際に気をつけるべき点としては、定期的に対面での機会を設けることです。事例の企業も定期的な本社勤務日を置いていました。日常の業務や事前に取り決めた事項の議論は、その多くがリモートで可能になりましたが、新たな発想やルーティン以外の話題は対面でのコミュニケーションの中から出てくることが多いと思います。また、場所や人によっては本社の勤務時間にとらわれない働き方の受け皿として、就業規則で多様な勤務体系を整備しておくことも有効となってきます。
次に、3つ目の事例のように「地方ならではのライフスタイルを売りにする」という点も逆転の発想です。最近では、「ワークインライフ」という、ライフスタイルの中で仕事をどう位置づけていくかという考え方が出てきています。事例のように、仕事さえあれば地方に住みたいという若い人たちも増えているように感じます。
このとき大切になるのは、人事制度を魅力あるものとしておくことだと思います。それは高い給与水準ということではなく、適正な評価がなされるか、将来像が描けるか、成長できそうな環境か、といったようなことを見えるようにしておくことです。そもそも多くは生活コストが下がることもあり、ワークインライフで地方を志向する方は、単純な給与水準より働きがいを重視する傾向にあるように見受けられます。その際に魅力的な人事制度が整備されていることは、企業選択において重要な要素になるのではないでしょうか。
このように、地方に位置していても優秀な人材を確保することが十分可能な時代になってきたといえます。これまでの採用方法にとらわれず、新たな発想で検討してみてはいかがでしょうか。
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