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2021.09.08
右肩上がりの経営

「人手」不足から「人材」不足時代へ ~ 人材確保のポイント

「人手」不足から「人材」不足時代へ ~ 人材確保のポイント…

コロナ禍前は「人手不足」問題が全国的に注目されていました。全国平均の有効求人倍率がリーマンショック以降最高まで上昇していたのですが、コロナ禍以降、大幅に低下しており、全体で見れば人材への需要は急速にしぼんでいるといえます。ただ、明らかに人材過剰だったリーマンショック時とは異なり、ウィズコロナ、そしてアフターコロナでのビジネス環境の大きな変化を見据えて、積極的に人材確保に動く企業も多くいらっしゃいます。

 

「人手」不足よりも、「人材」不足への危機感が膨らんでいる

「人手」不足と「人材」不足の言葉の違いは、以下のとおりです。

・「人手不足」=働き手が足りない状態(課題点:人数の不足)

・「人材不足」=必要な能力やスキルをもった人がいない状態(課題点:能力の不足)

 

 環境変化が激しく、業務改善や事業再構築なども必要とされる中、全体の人数は足りている、または、人数を増やす必要は感じていないものの、その事業や職務を遂行するレベルに見合った能力やスキルを備えた人材が社内にいないために取り組めない、というご相談が増えています。すなわち、誰でも良いから人が欲しいというのではなく、現在および将来の自社に必要な知識、経験、マインドやスキルを持った人が欲しいということなのだと思います。

 

これからの時代に必要な「人材確保」を実現させるためのポイント

 そのような人材を確保するためには何が必要でしょうか。従来までの採用や人材定着のあり方に加え、以下の観点をチェックしてみていただきたいと考えます。

 

 1)会社の解像度を上げる

 漠然とした特長や、どの会社でも共通するようなレベルの情報のみでは、売り手市場の中で、必要な能力や可能性を持つ候補者がその会社で働く具体的な動機付けにつながらないと思います。会社や事業のビジョン、何を実現したいのか、どんな価値観を大事にしているのか、自社について、より具体的なイメージを伝えることがとても大切です。

 

 2)求める人材像の解像度も上げる

 候補者に対しても、あらかじめ、求める経験、スキル、志向性など、求める人材像を明確にしておくことが必要です。社内のどのようなポジションで、どのようなメンバー達と一緒に働いて、そして、どのような影響が起きそうか、など、候補者自身が自分の活躍イメージを具体的に思い描くことができることが重要です。

 

 どのような会社かが具体的であり、求める人物像も具体的になっているからこそ、会社と働く側がお互いにWin-Winになるように対話を重ねてすり合わせることができるのだと思います。

 

 3)副業人材など多様な選択肢を活用する

 昨今は働き方について多様な選択肢があります。優秀な人材を正社員という枠組みだけで確保しようとせずに、副業人材、業務委託、遠隔のリモートワークなど多様な選択肢を積極的に活用することで、「人材不足で事業が進まない」という状態からいち早く脱することも検討に値するのではないでしょうか。

 

 4)自律的なキャリア形成を促進

 個人の成長が企業成長の源泉ですから、人材育成のあり方は、今後、より重要となってきます。正解がない、正解がわかりにくいこれからの時代においては、一律的な人材研修プログラムではなく、個人の主体性とモチベーションを向上させ、自らの「持ち札」を増やすことでキャリアを切り拓いていく、自律的なキャリア形成の促進がより注目されています。自社の組織が、市場価値の高い、多様な人材のプラットフォームのような存在になるのが理想ともいえます。

 

 アフターコロナを見据えて、変化する社会、人材市場の中で、自社の持続的な成長に必要な「人材の確保力」をどう強化していくのか、検討してみていただきたいと思います。

 

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