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2021.10.21
SDGsと経営

財務諸表、実はSDGs?!

財務諸表、実はSDGs?!…

最近、企業経営者の現場の声として、以下をお伺いすることが増えた気がします。

それは「財務諸表」とりわけ「バランスシート(貸借対照表)」に表現されていることと、実際に会社や企業グループで起きていることと、どのような関係性があるのだろうか?という質問です。

 

例えば・・・

①売掛金に代表される売上債権は、「適切な活動や対応に基づくものなのだろうか?」

②製品や商品に代表される棚卸資産は「適切な活動や対応に基づくものなのだろうか?」

③人的資産や知的資産は「表示されていないけれども、それは適切なのだろうか?」

④買掛金に代表される仕入債務は、「適切な活動や対応に基づくものなのだろうか?」

などというものです。


これに対して私たちがお答えすることは、
「この質問が出るということは、実は自社や企業グループだけではなく、地域社会やステークホルダーへの働きかけの結果やそこからくる影響にまで深掘りして判断しようとされていますね!」「それってSDGsを意識されていますね!」ということです。


どういうことか、上記の例示を具体的に見ていきましょう。

 

①の売掛債権は、財務分析などの場面では「回収サイト(期間)や、回収遅延債権等」が話題になりますが、活動レベルに落として考えると、「企業内部の管理体制が正しいかどうか」ということもあれば、「得意先の活動や問題意識、働きかけが妥当か?」「お客さまのニーズに合致した結果だろうか?」という分析と判断、関係部署への働きかけの方が重要なこと、といえるのではないでしょうか。

 

また②の棚卸資産についても、「在庫管理、長期滞留在庫」が話題になりますが、「サプライチェーン全体で見た時に、注文から提供までに必要な在庫を持っているか、適切な値段で販売しているか」「作りすぎや仕損じによる資源の無駄遣いをしていないか」という分析と判断、関係部署への働きかけが重要なポイントになります。

 

③の人的資産や知的財産は「資産価値として測定できないものをバランスシートで資産計上できない」からこその問題点ですが、仮に「15年分の人件費総額の現在価値を資産と負債両方に計上したらどうなるか」想定して作成してみることはできますから、それに基づき採用計画や育成計画を考えてみるなど、今持っているノウハウが向こう何年分の収益獲得に貢献し、結果地域社会に貢献するのかを考えてみる行動が重要です。

 

④の仕入債権についても、一般的には「支払サイト(期間)」が話題になりますが、「サプライチェーン全体で見た時に、注文~提供までに必要なタイミングで発注しているか、適切な値段で購入しているか」「過剰発注による資源の無駄遣いをしていないか」「サプライチェーンのどこかに負担をかけていないか」という分析と判断、見直しをする行動が鍵といえるでしょう。

 

いかがでしょうか?
とかく数字分析に終始しがちなバランスシート(貸借対照表)ですが、パーパス・経営理念・行動指針からくる会社や企業グループの取り組みの「現時点の結果」を示していることがおわかりいただけたかと思います。まさにそれこそがSDGsと言って差し支えないと考えています。


数字が示す背景をきちんと考えてみる、その習慣をしっかり持つこと。
私共もこの大切さを胸に、お客さまとご一緒に日々取り組んでおります。
是非みなさまの参考にしていただけましたら幸いです。

 

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