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8tips世界を駆ける経営

2021.05.25
世界を駆ける経営

~深圳の「屋上経済」~ 深センEYE

~深圳の「屋上経済」~ 深センEYE…

(写真=画像素材:PIXTA)

日本や欧米諸国では昔からデパートやショッピングモールの屋上で、空間利用の一環として様々なビジネスが開発されてきました。
日本では夏の風物詩ともいえる屋上ビアガーデンが代表的ですが、最近中国でもそんな屋上ビジネス(屋上経済)が流行りはじめています。
特に深圳の屋上経済の場合、運営の主たる目的を飲食、物販においていないのがユニークです。
南山区ソフトウェアパーク内の各建物の屋上は、中間層の廊下と繋がっていて、喫煙スペースか休憩スポットになっていましたが、2020年の夏にいくつかの運営会社により一気に「屋上経済」がスタートしました。有機野菜農場、ベジタリアンレストラン、カフェテリアなどがオープンしていますが、どの店舗も飲食と物販は補助的な機能に過ぎません。
では、各店舗とも何を主眼に、どんなコンセプトで運営しているのでしょうか。

投資会社、IT 企業、スタートアップ企業の創業者が集まっているこのエリアでは、新しいビジネス情報の入手、トレンドの追跡、人脈作りなどが屋上で運営されている店舗を利用することで、活性化しています。

例えば、このステージスペースを用意しているカフェを利用しようとすると、さっそく 200 人規模のWeChat のグループチャットに招待されます。グループチャットで運営者が勧めるのは決してコーヒーやケーキなどのメニューではなく、他の企業や機関と提携して実施される各種イベントの案内です。
下記は読書会とスピーチのイベントとなっていますが、それぞれ出版社と教育機関が主催しています。

 

▲読書会やスピーチのイベントに参加すると、またそれぞれの新たなグループチャットに招待されることになります。

 

屋上の限られたスペースで有機野菜の栽培と販売をしている企業も、会員登録を入口として個人情報と当該個人が所属している会社の情報を取得することができるので、グループチャットもしくは自社アプリなどを通じて情報発信、広告、イベント開催などのビジネスに展開しています。
このように同ソフトウェアパークの 2020 年の屋上経済のテーマはカフェと有機栽培となっていましたが、トレンドの移り変わりが早い深圳で、2021年はまた違うテーマに様変わりしているかもしれません。
また、深圳で検証されたこのビジネスモデルが有効であれば中国のその他の都市にも広がることでしょう。
日本とは一味違う、深圳の屋上経済ですが、栽培している南国のフルーツはそれだけでも十分戦えるほど、甘く美味しかったのが印象的でした。

(執筆:姜 香花 唯来企業管理咨詢(深圳)有限公司【MICS】 副総経理)

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