8tips世界を駆ける経営
海外現地法人に「コックピット経営」を
感染症の世界規模での蔓延は、中国に限らず、企業の海外ビジネスに大きな影響を与えました。中でも出張が不可能になったことによるコミュニケーションギャップと意思決定の遅延は深刻でした。リモートや現地化などの企業努力も、これを100%補うには至っていません。
そこで心配されるのが、海外現地法人の暴走(または停滞)と不正です。
企業はいま一度、現在の状況がベストな経営体制であり、利益を最大化する仕組みになっているか検証する必要が出てきているのですが、そんな状況下において、私どもが提唱しているのが、「コックピット経営」(経営のコックピット化)と「内部監査」です。
見方を変えれば、今の環境は「現地法人を自立させる」チャンスでもあります。
現地法人の運営に、ある程度の裁量を与え、権限を移譲し、これまであった本社からの呪縛から解放してあげるのです。それを可能にするのが「コックピット経営」と「内部監査」です。
「コックピット経営」とは、海外経営における最低限のモニタリング指標を設定し、現地経営陣と本社がその情報にいつでもアクセスできる状況を構築することです。
平たく言い換えると「経営の見える化」です。様々な情報によって企業経営を操縦するのです。
財務活動・売上活動・生産活動・人事労務・研究開発・プロジェクト活動などから、必要なモニタリング指標を作り上げます。
そして、それをサポートするのが「内部監査」です。内部監査の理想は、スコープを絞って毎月実施することです。経営の妨げにならない程度に、調査項目は毎回一つか二つに絞るのです。内部監査が現地法人の敵とならないためには、経営サポートとしての相互理解が必要なのですが、そのためにも同じ情報をシェアできる「コックピット経営」は有効といえます。
約2年におよんだコロナ禍も、次のステージに突入しました。今後は、どう共存していくか、また、報道やネット情報に惑わされることなく一人一人が冷静に判断し、受け止めていけるかが問われていくことでしょう。
そんな中でも、未だ先が見えないのが「海外との自由な往来」です。お隣の中国は、2022年2月に北京オリンピックを控え、また、その秋には党大会が予定されているため、それが終わるまでは解禁されない、との見方もあります。
また、ワクチンパスポートの導入を開始している国もありますが、これも今後の運用は不透明です。
新たな局面を迎えた海外現地法人経営に、それに適合した仕組みを取り入れてみてはどうでしょうか。
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