8tips世界を駆ける経営
- 2021.06.23
- 世界を駆ける経営
海外不正相談室 第3回:海外不正への対応 ~未然に防ぐための対策~
コンプライアンス経営、リモート経営が問われていく中で、海外子会社の不正が経営に与えるインパクトは増大しています。
シリーズで、海外での不正についてお伝えします。今回は海外で生じている不正を未然に防ぐ方法について具体的に解説します。
1.不正行為における3つの要素
出張回数の減少やリモートワークへの以降、また海外現地経済の停滞により、日系企業の海外子会社からも不正に係る相談が増えてきています。
不正については、「機会」「動機」「正当化」の3つがそろうと発生すると言われています(不正のトライアングル)。ここで「動機」は、個人の事情等に起因するものも多く、なかなか抑えることは難しいと考えらえます。また「正当化」も当人の内面的な活動であるため、会社としてコントロールしづらいものと言わざるを得ません。つまり不正の「機会」を減少させることが、不正を未然に防ぐためにはとても重要なこととなります。
2.不正の「機会」をどう奪うか?
不正の機会を減少させる方法には、①ヒトによる方法、②仕組みによる方法、③外部の活用、の3つがあります。
①ヒトによる方法:
複数人によるチェック、業務のローテーション化、上司への報告、といったものがあります。大切なのは、1人の担当者に依存しないようにすること、です。牽制を利かせることで不正の機会は減少します。
②仕組みによる方法:
システムによる履歴管理・在庫管理、アクセス権の設定、データによる異常値管理、といったITシステムを活用したコントロールはとても有効となります。また従来から行われている業務フローの見える化、権限と責任の見える化、も牽制機能を果たし、有効となります。
③外部の活用:
内部監査、内部通報制度、といった現地組織以外の外部の活用は、不正の機会を奪うにあたって、非常に強力な役割を果たすことができます。また不正が発覚するルートは、この内部監査や内部通報制度によるものが殆どと言えます。
上記の3つの方法を状況に応じて、上手く組み合わせることが重要です。なぜなら、不正の機会は、その会社や業界、国・地域によっては様々な影響を受けるからです。
■不正の「機会」を減少させるための方法
次回は、不正の防止および発見にとって非常に有効となる内部監査から、特に現在必要不可欠となっている“リモート監査”の注意点及びポイントの解説をおこないます。
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