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2021.03.24
真のデジタル経営

オンライン研修は本当に有効か?

オンライン研修は本当に有効か?…

急速に普及したオンライン研修の「実際」は?

 コロナ禍で集合研修やセミナーが中止を余儀なくされたことから、パソコンとインターネットを活用した「オンライン研修」が急速に普及しました。三密を避けることができる上に、自宅や自社等、場所を選ばず受講でき、研修会場までの移動負担がないというのは多くの受講者にとって魅力的なのだと思います。

 一方、企業の研修・人事担当者という視点でも、「全国の従業員に公平な研修機会を提供できる」というメリットが大きな魅力になるのではないでしょうか。研修会場は大都市圏に集中しがちで、遠隔地に勤務する従業員は時間やコストの観点でも参加しにくかったはずです。

 このように、この一年で大きく普及した「オンライン研修」ですが、従来の会場集合型のリアル研修と比較して、残念ながら以下のような「声」を耳にするようになりました。

 講師の声   :「伝わっているのか不安」
 受講者の声  :「集中力が続かず、不満」
 研修担当者の声:「効果があるのか不明」

 そこで、本コラムでは、考えられる2つの原因と、さらに、「オンライン研修を効果的に活用するポイント」について解説します。ちなみに、誤解がないよう整理しておくと、ひとくちに「オンライン研修」といっても、事前に撮影された動画を受講者の都合に合わせて視聴する「オンデマンド型」と、同時間に視聴をおこなう「ウェブセミナー型」があり、特徴が異なることから、区別する必要があります。

 

オンライン研修、効果が「?」な2つの理由

 ひとつは、緊張感が欠けること、そして、メニューが体系的でないことです。

 まず、オンライン研修は、リアル研修に比べると緊張感が乏しくなります。例えば、オンデマンド型の動画視聴ではそもそも講師から見えていませんし、ウェブセミナーでも、他の受講者がいなかったり、一方的に聞くだけであれば、気が緩むのは必然です。

 実際に、カメラとマイクをオフにしたとたん、緊張感が瞬時に飛んでしまうことは誰でも経験したことがあると思います。また、仮に緊張感は保てたとしても、メールや電話がかかってくれば思わず対応してしまう、というのもよくあることです。

 たとえば、クラシックのコンサートホールで電話に出たり、メールを読んでいる人なんて考えられないと思います。オーケストラの奏でる「一瞬で消えてしまう音の塊」に集中して聴くので、視聴者は感動し、記憶に残るのです。同じ演奏でもレコードやCDでは同じ体験はできないのは、どうしても、いつでも繰り返して聞けるという心理が働くからです。この緊張感、集中力の差が研修効果に直結するのだと考えます。

 もう一つは、全体のメニュー、いわゆる「品ぞろえ」です。一般的にインターネット上には動画があふれ、秀逸な動画も少なくありません。しかし、再生回数の多い人気の動画だけを見ていても単なる物知りになるだけで、全体的なビジネスの体系がわからないので役立たない、というのが現実ではないでしょうか。

 ビジネスに必要な知識、スキルを3つに分けると「階層別」、「ビジネススキル」、そして、営業、総務、経理、人事などの「専門知識」です。この3つをバランスよく体系的に学び、習得しないとこれからの時代にチームで成果を上げ続けるのは難しいかもしれません。

 

人材育成にオンライン研修を活用するポイント、最大のポイントは「双方向」

 研修の場の緊張感を高める工夫としては、「双方向であること」が一番ですが、それ以外にも、緊張感を高めて集中力を維持するポイントを4つ紹介します。

ポイント①「ライブにすること」

 前述したとおり、録画や動画だと聞き流す受講者が増えるので避けるべきです。録画があるからあとで見直せばよい、との妙な安堵感を与えてしまい、緊張感を削いでしまいます。

ポイント②「講師から受講者に発問すること」

 オンラインに限った話ではないですが、講師から受講者に適度な質問を入れたり、ワークショップで参加者自身が考える時間を設けると記憶に深く刻まれます。良い講師は質問から始め、受講者をひきつけ解説します。そして講義の最後に感想や質問を求め、受講者でシェアして印象付ける、という流れを意識しています。

ポイント③「受講者同士で意見交換、討議を入れる」

 他者の目は誰でも気になりますが、研修の時間における他の受講者の意見、姿勢は大いに刺激になります。もちろん、他者との交流は、外の世界を知ることにつながり、学習内容以上の成果を期待することもできます。

ポイント④「受講者に後日、講師役をしてもらう」

 受講者に報告書の提出を求めるのはどこの企業でもおこなっていますが、受講者の負担になるので嫌がられるばかりではなく、部分的な印象のみの記述となり効果が限定的になることがあります。

 報告書を求める代わりに、受講者に朝礼などで発表してもらう、という方法をおこなっている企業があります。自分で学んだことを他の人に教えるという復習プロセスによって、深い理解と納得感を得るのがネライです。

 ちなみに、自分で教えるのが苦手な受講者には、研修で得たこと、どのように活用していくかといった、決意表明を発表してもらうと周囲の目を意識し、行動が変わります。

 

オンライン研修の選び方~双方向・ライブ・経営コンテンツ

 双方向、ライブ、など、オンライン研修を選定する際のポイントをお伝えしましたが、大事なコンテンツについてはどう考えたらよいでしょうか。

 もちろん、選択肢という意味で多いに越したことはないのですが、カリキュラムのベクトルが「経営」に向いているかはチェックする必要があります。学者やタレントなど有名人が登壇するものは受講者ウケはいいのですが、現実の経営から乖離したものであることもありますし、また、カリキュラムが総花的だと受講者はどれを選んだらいいか混乱してしまいます。実務面を強化したいのか、意識改革を促したいのか、社内コミュニケーションを活性化したいのか、経営においては様々な課題、テーマに向き合う必要があり、そういった複数の観点をコンテンツにもつ研修機関を選定することをおすすめします。

 

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