みらい経営者 ONLINE

経営課題の発見・解決に役立つ情報サイト

みらい経営者 ONLINE

  1. 北海道20年ぶりの新駅が、当別町に誕生した理由

Regional Transformation地域創生

2022.09.13

北海道20年ぶりの新駅が、当別町に誕生した理由

当別町は札幌市の北東に隣接する、人口約1万5千人の町です。

米どころ・石狩平野に所在していることから稲作を中心とする農業が基幹産業となっている他、町北部には豊富な森林資源もあり、林業も盛んです。

 

この当別町には、直近でユニークな動きが2つあります。

 

1つ目は、「新駅誕生」です。

この当別町に、北海道の在来線としては20年ぶりの新駅が2022年3月に誕生しました。

その名も、ロイズタウン駅と言います。当別町と製菓メーカーであるロイズコンフェクト社(以下、ロイズ社)の請願駅です。

 

2つ目は、「社会増」です。

北海道の地方自治体は、大半の市町村が人口減少に直面しています。当別町も人口減少が続いている状況です。しかし当別町は令和3年度から社会増(他市町村への転出よりも転入のほうが多い状態)の状態となっています。

 

ロイズタウン駅誕生に至るストーリーや、社会増の背景等について、後藤正洋町長にお話を伺いました。

ロイズタウン駅の始まりは、ロイズ社の山崎社長が、米菓子大手のザ・ハーシー・カンパニーの地域開発の取り組みに感銘を受け、当別町へ新駅設置の要望を出したことがきっかけでした。

当別町としてもロイズ社の要望を受け止め、当別町の交流人口・定住人口の増加を目標として、JR北海道を巻き込み、新駅設置に向けて動き出したそうです。

 

ロイズタウン駅の完成後は、隣接する道の駅の業績がコロナ禍前の水準まで戻る等、さっそく当別町にとっても好影響が出始めています。

当別町・ロイズ社・JR北海道の3者それぞれが希望を持てる、「三方よしの事業になった」と、後藤町長は振り返られていました。

 

社会増の背景について伺った中で感じたのは、当別町の主体性です。

後藤町長は、「人口減少を止めたい」と明確にお話しされていました。

 

当別町は人口増加に向け、町外からの移住者に対し、新築住宅の購入支援金を交付している他、小中一貫校の新設、病院の誘致にも力を入れ、生活インフラの整備を積極的に進めています。

 

さらに後藤町長はデジタル田園都市構想を掲げ、デジタルの力でより住みやすい当別町を実現しようと、道内外問わず知見をもった企業との連携を積極的に模索しているとのことでした。

街づくりを進めていく上では、個別の取り組みだけではなく、町内外の事業者や私たちのような士業などの専門家が、それぞれの立場で街にかかわりを持つことが大切であり、それらを束ねる「ビジョン」が欠かせないという言葉が印象的でした。

 

ここまでお話を伺って、当別町の主体的な取り組み姿勢が共創力を生み出す源になっていることに気づかされました。

助成や誘致といったアクションを町自身が主体的に取り組み、町内事業者との連携はもちろんのこと、町外へ積極的にアプローチし、提案を受け入れる。

こういった姿勢が、人を惹きつける力を生み出し、その結果、当別町に明るいニュースや希望をもたらしているのだと思います。

 

お忙しい中にも関わらず、快く我々のインタビューに応じてくださった、後藤町長、山本課長には心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

<執筆者>
北海道地域創生プラットフォーム株式会社(HPR2)
柳沼匡寛

お問い合わせはこちら

北海道地域創生プラットフォーム株式会社(HPR2)

北海道地域創生プラットフォーム株式会社(HPR2)

【北海道地域創生プラットフォーム株式会社(HPR2)の取り組み】
・ IPO(株式上場)水準の組織体制構築支援を通じた地域雇用と富の循環の創出
・ 各種コンサルティングサービスを通じた道内中堅中小企業の生産性向上
・ 再編・M&A・承継支援を通じた地域産業や地域雇用の維持発展
・ 人事・労務サービスを通じた働きがいがある魅力的な企業づくり
・ 地域で核となる経営人財の育成支援を通じた地域創生の自律化推進

PREV
北海道からIPO企業を輩出する機運が高まっています!
NEXT
持続可能な事業で「結果としての地域創生」へ

ページトップへ