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  1. 北海道の夏 YOSAKOIソーラン祭り

Regional Transformation地域創生

2023.06.19

北海道の夏 YOSAKOIソーラン祭り

6月7日から11日までの5日間、札幌市で第32回「YOSAKOIソーラン祭り」が開催されました。コロナ禍を経て4年ぶりとなる「ノーマスク」による演舞、爽やかに広がる青空の下、ステージ上はもちろんのこと、観客席や沿道にも晴々とした笑顔が溢れていました。

絶好の天候に恵まれた最終日。札幌市大通公園に設置されたステージの裏側の様子。奥に札幌市のシンボル、テレビ塔が見えます。

 

北海道初夏の風物詩として根付いたYOSAKOIソーラン祭りは、高知県の「よさこい祭り」と北海道の民謡「ソーラン節」をミックスしたもので、約30年前の1992年に産声をあげました。第1回は10チーム、観客動員数20万人ほどでしたが、2001年第10回の408チームをピークとして(2020年以降はコロナの影響で減少傾向にあるものの)、今では毎年200~300チームが道内外ならびに世界各国から参加、観客動員数も平常時は約200万人にまで達しており、その経済波及効果は数百億円とも言われています(※)。

お祭りはとにかく楽しむもの(踊らにゃソンソン)!…かもしれませんが、あえて、この祭りからビジネスのヒントを3点抽出してみます。

 

① 価値を異なるフィールドに/新規事業開発

新規事業は「どう組み合わせるか」である、と言われます。YOSAKOIソーラン祭りは、既存サービス(高知の「よさこい祭り」)を新しい市場(北海道)で展開したことによって新たな価値を創出したもの、といえます(よさこいに、ソーラン節を組み合わせたことにより、北海道の地元意識もしっかりと刺激しています)。

② 共創型/自己実現

お祭りの参加ルールは極めてシンプル(鳴子を持って踊ること+曲にソーラン節のフレーズを入れることの2点)であり、原則、誰しもが参加できます。この自由さが北海道内のみならず、世界各国から参加チームや応援客を呼び寄せています(ちなみに、今年の優勝チームは千葉県のチームでした)。観に行く、のではなく、踊りに行く(参加しにいく。しかもハードルの極めて低い)「共創型」のお祭りといえます。

また、普段は着ることのない色鮮やかな衣装に身を包み、何色もの化粧を施し、音楽に合わせて、自分の努力の結晶をステージやパレードで他人に魅せる、自己表現の機会ともなります。それは性別も年齢も問わない自己実現の場といえますが、緊張感とともに開放感あふれるとびきりの笑顔は観る者をも幸せな気持ちにします。

③ 地域貢献

初開催時から変わらないYOSAKOIソーラン祭りの合言葉は「街が舞台に」です。今年から、当日の演舞だけでなく、地域での活動も評価される仕組みになりました。実際にYOSAKOIソーラン祭りに参加した経験を持つMCメンバーに尋ねると、チームは「地域の顔」という側面、誇りもあるようです。チームを創る、という力学においては、開催地札幌のみならず、全国各地で自発的・自律的に、しかも世代を超えて受け継がれ、あるいは新たに生まれていく、その仕組みをつくった画期的な地域貢献活動といえるのではないでしょうか。

 

以上、YOSAKOIソーラン祭りが生まれ、歩んできた道は、地域に根付く中小企業としてもビジネスの大きなヒントになるのではないかと思います。

さて、私たちみらいコンサルティングでは、来月7月12日(水)、YOSAKOIソーラン祭りと同じ札幌で、スタートアップ企業と士業・専門家のためのイベント「HOKKAIDO Startup Communication 2023(北海道スタートアップコミュニケーション2023)」を開催します。YOSAKOIソーラン祭りのように、北海道から全国へ向けて、地域で輝くチーム、ヒトを増やしていくためのイベントです。関心をお持ちいただける方は、ぜひお気軽にお申込みください。

このイベントで出逢い、意気投合した仲間から、新たなYOSAKOIソーランチームが生まれるかも(?)しれません。

 

※ 参考)YOSAKOIソーラン祭り 公式サイト

 https://www.yosakoi-soran.jp/

 

イベント詳細

HOKKAIDO Startup Communication 2023

 

<執筆者>

北海道地域創生プラットフォーム株式会社(HPR2)

吉田慶太

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北海道地域創生プラットフォーム株式会社(HPR2)

北海道地域創生プラットフォーム株式会社(HPR2)

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