8tipsリスクに備える経営
パーパスやビジョンをリスクマネジメントに活用する!
最近は、社会的な存在意義としての「パーパス」や、目指すところとしての「ビジョン」、行動価値観としての「バリュー」などを社内外に発信している企業が増えました。あるいはこのような呼び方でなくても、社是や企業理念などを掲げていることが多く、いずれも経営に関する意思決定時や、社員に経営方針を発信する際などにより所としていらっしゃるのではないでしょうか。また、社員のモチベーションアップや企業イメージアップにつながっていることも多くみられます。
一方で、これらはリスクマネジメントにも活かせるものです。ここでお客さまの事例を紹介しましょう。
このお客さまは元々企業理念をお持ちでしたが、より目指すところを明確にすべく、経営幹部が集まってビジョンをつくりました。企業理念とビジョンは各事業所に掲示し、さらに浸透させるべく、社内イベントでの唱和や定期的な社内研修を継続しています。そしてビジョンは経営の岐路に立ったり、新たな事業展開を考える際に常に判断基準とされてきました。
さて、ある時、社員が内部規定に抵触し社会倫理にも反するような行動をおこしました。規定に則った処分や人事評価制度を通しての降格といった処分が下されましたが、注目すべき点は次のところです。経営陣は処分を下すか否か判断する際に、「当社の企業理念とビジョンに反する」という点も大きな要素として意思決定し、それを社内に発信したのです。
今日では、社員の不正や社会倫理に反する行動は経営上の大きなリスクのひとつであり、そのマネジメントがとても重要となっています。リスクマネジメントというと内部統制や社内規定、はたまたマニュアルなど仕組みを整備することに目がいきがちです。これらはもちろん必要なものですが、ではそこに記載されていない事項はよいのかといった議論や、倫理的な事項まで記載できないといった限界もあります。そして社員側としては制度で縛られている印象を与える面もあります。
一方で、企業理念、パーパス、ビジョン、バリューといったものは行動のより所として、社員側としては守ろうという内発的な意識につながるものであり、倫理的な事項まで包含するものとなります。しかし社員の意識がこのレベルにまで至るには、企業理念やパーパスなどが社員にしっかり浸透していて、さらに単にきれいごとではなく、特に経営陣が先頭となって実践していることが大前提となります。先述のお客さまの事例では、普段から企業理念とビジョンの浸透に努め、経営方針の発信や新規事業展開時など、ことあるごとに経営トップがビジョンを引き合いに出してきたからこそ、社員の理解にもつながったといえます。
いかがでしょうか。皆さまの会社でもお持ちの企業理念などを、ぜひリスクマネジメントの観点からも活用を検討してみてください。みらいコンサルティングではビジョンづくりや浸透のご支援もおこなっていますのでお気軽にお問い合わせください。
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