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8tipsリスクに備える経営

2022.06.08
リスクに備える経営

パーパスを支える「倫理観」、倫理観を支える「貢献意識」

パーパスを支える「倫理観」、倫理観を支える「貢献意識」…

最近、企業のお客さまを訪問していて出てくる言葉に、サステナブルという単語がありますが、中でも、世間を騒がす事件のニュースなどがあると、企業や企業グループの永続(サステナビリティ)を決定づけるのは、「パーパス」であり、「倫理観」ではないか、というような話題になります。

 

「パーパス」とは、企業や企業グループの存在意義を明確に言葉にしたもので、企業や企業グループが存在する地域社会、関わるステークホルダーにしっかりと伝わり、その存在が意義あるものとして真に認められる必要があります。

 

そのためには、法令順守(コンプライアンス)では事足らず、いつも「倫理観」にそった行動にコミットする必要があります。
この倫理観は、すべてを明文化することはできないものですが、企業や企業グループにとってブレのないものである必要があります。そういった性質をもつ倫理観を支えているのが、経営者以下、全社員の正しい「貢献意識」であるように思います。

 

ところが、残念ながら、実際には、貢献意識がゆがんでしまったり、倫理観に反した行動をとってしまったり、場合によっては法令違反が企業を揺るがすこともあります。
そのような場合の「貢献意識」は、企業や企業グループの「内部にのみ優先して向いている」、「内部にだけ向けていればいいという圧力がかかっている」のではないでしょうか。
たとえば、「目先に達成しないといけない数値目標(売上目標や利益目標など)を掲げられた状態」で、それに「貢献すること」を求められたとき、その達成を最優先するあまり、普段であれば倫理観で抑制される行動に歯止めがかからなくなったりする、というのは誰にでも起こり得ることです。

 

では、どうすればいいのでしょうか。
上述のように「内部に向いた貢献意識」だけではなく、「外に対する正しい貢献意識をもつ」ように働きかけることが大事、ということだと思います。そうすることで、「達成しないといけない数値目標」ではなく「正しく貢献をするための行動目標」を追求するようになるのです。
ブレない倫理観に基づく活動が企業や企業グループ全体で行われ、成果につながることで、結果として「パーパス」を満たす存在になることができるのだと考えます。

 

最後に、これからの企業、企業グループの活動において必要なことをまとめると次のとおりになると思いますのでご紹介いたします。ご参照いただけましたら幸いです。
①全員で目を「外」に向けて、正しい貢献意識を持つようにすること。
②そのうえで、それを達成する行動目標をたてて、合意すること。
③そのことを前提とした事業計画をたてて、PDCAサイクルを回すこと。
④内部を優先する短期的な視点と外との関係を意識する中長期的視点のバランスを考えること。

 

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