8tipsリスクに備える経営
- 2020.08.20
- リスクに備える経営
業務での事故を防止するための7か条 「ヒヤリハットを早期に解消し、全員で共有しよう」
みなさまは、ハインリッヒの法則をご存じでしょうか。
これは「産業事故や不祥事は偶然ではなく、何らかの予兆があるという教訓を統計学的に明らかにした」ものとして有名ですが、「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、さらにその背景には300の異常(ヒヤリハット)が存在するというもの」です。
これに加えて、もう一つよくいわれるのは「事故は連鎖する」というものです。ひとたび事故が発生すると、どんなに注意し、注意喚起をしても立て続けに事故が発生するというものです。
では実際に事故を防止するにはどうすればいいか。私たちの実際の取り組みから7か条にして紹介しましょう。
1:浸透
「ヒヤリハットに気が付かない、感じない者ほど事故のそばにいる」ことを浸透させる。
2:徹底
「ひとたび事故を起こしたら、自分だけでは済まず、周りに伝播する」ことを徹底する。「事故から早く立ち直るために、事故当時者は報告 → 確認・整理 → 再発防止→反省をできるだけ早く(原則その日のうちに)」を徹底する。
3:整理
ヒヤリハットを認識したら、時系列に出来事を整理し、その過程であった「油断、慢心、思い込み」のポイントを確認するとともに、事故に至らなかった(救われた)ポイントを、原則その日のうちに整理する(防止に不足あれば、同時に追加する)。
4:発信と保存
ヒヤリハットの整理が完了したらすぐ全員に発信(できればデータベースで保存)。このとき「おなじヒヤリハットは起こさない」という強い覚悟を持つことが大事。
5:共有
ヒヤリハット事例は、全員朝一番にデータベースで確認して共有する。(いやな汗をかくイメージまで共有し、「だから自分も起こさない」と感じるようにするように申し合わせておくことがポイント。)
6:事故の一報共有
事故内容だけでいいので、事故当時者はまず一報を全員知らせ、事故につながる行動に注意を促す。状況によっては再発防止確認ができるまで、類似行動はストップする。
7:事故当事者による整理、再発防止
時系列に出来事を整理し、その過程であった「油断、慢心、思い込み、事故につながった行動」のポイントを原則その日のうちに確認・整理し、対処案を共有(これもデータベースで保存するとともに、全員に特急回覧する)。なお、事故当事者は「事故によるショックを引きずった状態」であるため、できるだけ早期に(できれば翌日には)「ショックの解消」を図るように留意する。
ヒヤリハットも事故に伴う再発防止策も、「全員で共有すべき貴重な無形財産」である意識をもち、貴重な財産をいつでも全員で共有できるようにデジタルの力を借りて整備することが今後より一層重要になりますが、「報告に急を要する」ということから紙文化が色濃く残り、結果として共有が限定的になったり、その場限りになったりしている傾向が強いと考えます。早急な対策が望まれるところです。
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