8tipsリスクに備える経営
- 2021.11.02
- リスクに備える経営
『事業継続計画』はじめの一歩に!
近年、地震や集中豪雨など、自然災害の発生頻度は年々増加傾向にあります。加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大はグローバルに生産・調達・物流などサプライチェーンの中断をもたらし、企業の事業活動や業績に大きな影響を与えて、経営や事業戦略そのものの見直しを迫られている企業も少なくありません。最近でも、半導体不足に加え、新型コロナウイルスの急拡大の影響で東南アジアを中心に現地の工場が一時的に閉鎖されて部品が不足したために、減産の動きが広がった、という国内自動車メーカーのニュースは記憶に新しいと思います。
BCP策定で企業価値向上を
「BCP(事業継続計画、以下BCP)」とは、自然災害や感染症発生などの緊急事態において、中核事業の継続や早期復旧を可能とするための方法や手段をあらかじめ取り決めておく「行動計画」のことです。
新型コロナウイルス感染症では、局所ではなく、広域にわたっての企業活動への影響を目の当たりにしたことから、経営者の「事業継続のための備え」に対する重要性や緊急性の意識が以前よりも高まっていると感じます。一方、すでにBCPを「他社と差別化するための経営戦略」と位置づけて、緊急事態においても短期間で事業を復旧できることを取引先等ステークホルダーへアピールすることで、企業価値向上を目指す企業もでてきているようです。「企業価値を高めるため」という観点から自社の経営や事業全体を俯瞰して根本から見直す機会と捉えて取り組むことが、BCPを取り組むときには必要なのだと考えます。
進まないBCP策定を後押しする「事業継続力強化計画」
中小企業白書によれば、BCPを策定している中小企業は全体の約2割にとどまっているに過ぎず、「知識・ノウハウを持つ人材不足」「想定すべき対策が広範囲のため難しく複雑」などがそれが進まない背景にあると考えられます。そのため国としても、BCPを本格的に策定するための入門編として「事業継続力強化計画」という新たな制度を設けて、中小企業への普及に取り組んでいます。
「事業継続力強化計画」とは、主に中小・小規模企業向けの「防災・減災」に焦点を当てた簡易的な事前対策計画です。計画を策定して国の認定を受けた企業は「日本政策金融公庫の低利融資、信用保証枠の拡大など金融支援」「防災・減災設備に対する税制支援(取得価額の20%の特別償却)」「補助金(ものづくり補助金等)の加点」「認定事業者を要件とした県・市町等の補助金」など様々なメリットがあり、2021年6月時点の累計認定件数は約2万9千社となっています。
計画策定にあたっては、独立行政法人中小企業基盤整備機構の専用サイトによる情報提供や全国の地域本部に設けられた窓口で無料相談も受けられます。BCPを策定する前の“はじめの一歩を踏み出したい”という方はまずはこちらを利用してみてはいかがでしょうか。
【出典】経済産業省 関東経済産業局
【関連記事】
会社経営についてご相談ください
- 課題を明確にしたい。
- 課題解決の方法がしりたい。
- 課題の整理がしたい。
- セカンドオピニオンがほしい。
企業経営に関するプロフェッショナル集団が
お客さまの状況に合わせてご相談を承ります。
【セミナー情報】
【ライブラリ】
- PREV
- 本当にこわい「K字型」とは
- NEXT
- 2022年は人材確保戦争時代に