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8tips右肩上がりの経営

2023.06.07
右肩上がりの経営
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「ありたい姿病」に注意⁉

「ありたい姿病」に注意⁉…

「あなたのありたい姿は何ですか?」

1on1を取り入れている会社で、Will/Can/Mustやマイパーパスを検討する際に、あたりまえのように出てくる質問です。

なぜ、その仕事をするのか、有名なレンガ職人の話でもわかるように、「仕事の目的」が明確であれば、やりがいを感じますし、それに向かって成長も加速、もちろん組織への定着も図れる、ということでエンゲージメント向上施策として使われているケースも多いと思います。

しかしながら、実際に運用していて、思い描いたようにうまく機能しない、なんだか無理に言わせてるな、など、違和感を感じることはないでしょうか。その違和感の源、それを「ありたい姿病」と勝手に呼んでみました。もちろん、正式にはそんな病気はありませんのでご了承ください。

 

ありたい姿病の症状

周囲にこんな方はいらっしゃいませんでしょうか?

◉ありたい姿と現実(自身の実力)のギャップが大きすぎて悶々とする。

◉ありたい姿がピンポイントすぎて、そこに至る道筋を見失った瞬間に焦る。

◉無理矢理ありたい姿を具体化しようとしてストレスを感じている。

 

ありたい姿を考えることは決して悪いことではありません。むしろ、こうありたい、こうなりたい、というハッキリとした意思をもつことは有意義な人生を送るためにとても役に立つと思います。また、ムーンショット、という言葉があるように、到底無理と思われる目標をあえて持つ意義や、多少のストレスや失敗も成長のためには必要な要素である、ということもおわかりいただけると思います。

ただ、ありたい姿に囚われすぎて思考の柔軟性が足りなくなったり、本来必要のない余計なストレスにさらされるのであれば本末転倒です。

 

ありたい姿病の処方箋

実際にすべてのケースに当てはまるものではないとは思いますが、以下留意すべきポイントを考えてみました。

 

ポイント① 本来の目的を忘れて無理に明確化しない

そもそも何のために考えているのか、を意識すれば、たとえば、ぼんやりと抽象的な「ありたい姿像」に対しても、「まだ今はぼんやりしている状態」と認識してそのままにしておくことできます。

無理矢理解像度を高めようとしてストレスをかけても、受け身の思考回路から生まれた言葉には力がないばかりか、むしろ本来の目的とは逆に作用することもあるのではないでしょうか。

 

ポイント② 道筋・ストーリーを可視化する

まだ経験が浅いものの理想が高く、真面目で優秀な方が最近は増えているように思います。ただ、どうしても視座や視野の成長が追いついていないが故に見失い、離職といった判断に至る、というのは残念な話です。

山道で常に山頂がみえていないように、道筋を見失ったり、回り道をするのはあたりまえで、ゴールに近づくための道筋・ストーリーを話し合い、この道の先にはありたい姿がある、と明確に伝え、そして、「近くで見える目標」を細かくセットしていくようなアプローチが必要と考えます。

 

ポイント③ 足元の実力をつけることを優先する

もっとも残念なのは、まだ実力が足りないのに「ありたい姿」が先走っていくことです。会社を自己実現の場として捉えることは悪いことではありませんが、そのためにはまず仕事の実力をつけることが最優先テーマである、との認識を共有し、それを具体化することを怠ってはならないと思います。

少しわかりやすくWill/Can/Mustでいうと、Will(やりたいこと、ありたい姿)を実現するために、Can(できること、実行力)を高める。そのためにMust(やるべきこと、あるべき姿)にしっかり取り組む、といった感じです。

 

このように考えると、やはり大事なのはメンバーを育てる責任を持つ方々の意識と行動だということがわかります。

「ありたい姿を考える」ことのそもそもの意義と目的、そしてそれを実現するためには具体的にどうすればいいのか。正解はありませんので、試行錯誤していきましょう。もしそのようなことで悩まれている方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。正解はお示しできないかもしれませんが、ご一緒に考えることはできます。

 

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