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ブックスマートとストリートスマート、どちらがいいか?

ブックスマートとストリートスマート、どちらがいいか?

ブックスマート(booksmart)とストリートスマート(streetsmart)という言葉があります。英語でいうと、booksmartは、book(本)+smart(賢いとか機敏)、streetsmartは、street(街路とか車道)+smart(賢いとか機敏)となります。ブックスマートとは、知識があって頭のいい人、たとえるなら一流の学校を卒業し就職ランキング上位企業や官僚になる人たち、かたやストリートスマートとは、学は無くても実体験をもとに知識や知恵を身に着けている人たち、たとえるなら一代で事業を起こし企業を大きくしていく人たち、というイメージです。

 

現在、日本の企業数約337万社のうち、中小企業庁が中小企業と定義する企業が約336万社。企業数の99.7%が中小企業ということになります。一方、大企業は約1万社(0.03%)あるのですが、この1万社の企業のほとんどは最初から大企業であったわけではなく偉大な経営者が起業し、経済変化の荒波の中でも知恵を出し危機や困難を乗り越え、現在の企業の形になってきたはずです。

 

たとえば、松下幸之助氏。いわずと知れたパナソニック(旧社名 松下電器)の創業者、和歌山で生まれ大阪でいろいろな商売に丁稚奉公し「実業で身を立てよ」という言葉に導かれ苦労、困難を重ね、のちの松下電器を創業、起業家として大成されています。また昨今多くの起業家が輩出されていますが、書籍等によれば、事業を成功させるまでにいろいろな苦難、困難を乗り越えてこられたことがわかります。このような方々はストリートスマートの一例だと思います。

 

一方で、私が知っている企業トップ、その中には高学歴の方、いわゆるブックスマートの方も多いのですが、そのトップの方々は実によく本を読まれます。最低週に1冊、月に4冊という方はざらにいらっしゃってその方々に「なぜ本を読まれるのですか?」「どんな本を読まれるのですか?」と聞いたことがあります。

 

まず、「なぜ本を読むのか?」については、経営者が書かれた体験を読みながら自分だったらこう考えるとかこのように行動するといったイメージが湧くからだそうで、本を読むことで仮想体験を得て、自身の経験値を上げるために本を活用されているようです。
また、「どんな本を読むのか?」の回答としては、どちらかというと何でも読むという方が多い印象です。本の題名だけで購入し10ページ読んで興味が湧かなければ読むのを止めるという方もいらっしゃいました。どうしても自社のこと、業界のことと視野が狭くなりがちなところを、いろいろなジャンルの本を読むことで解消しているのではないかと考えます。

 

このようにみていくと、ブックスマートなのか、ストリートスマートなのか、という区別にはあまり意味がないような気もしてきます。少なくとも、昨今のような5年先、いや、3年先ですら見通しが立てづらい時代においては、実体験・仮想体験のどちらかを問わずとにかく研鑽を積み重ねていくことが大事なのではないでしょうか。

 

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