8tips社員が幸せな経営
“うちはうち”が言えない会社は、選ばれない時代へ
〜採用難時代を生き抜く、独自性とパーパスの磨き方〜
昨今、企業の経営者の方々から「最近の若手は、待遇や安定だけでは動かない」という声を頻繁に耳にするようになりました。
給与や福利厚生を充実させても、応募者が集まらない。入社しても早期に離職してしまう。採用難の要因を「時代のせい」と片付けるのは簡単ですが、実は「企業を見る目」が変化してきているのかもしれません。いまの時代の求職者は、「どのような事業をおこなっているのか」だけでなく、「なぜその事業をおこなっているのか」を重視する傾向が強まっています。リクルート社の調査によれば、就職活動において「企業理念や価値観への共感」を重視する学生は7割を超えるそうです。
特に中小企業の場合、大手企業と比較して待遇や知名度で優位に立つのは難しく、だからこそ、「うちらしさ」が重要になります。どのような価値観を大切にして事業をおこなっているのか、その姿勢や理念に、若い人たちは敏感に反応します。「自身の貴重な時間を費やすに値する企業か」を、真剣に見極めようとしているのです。
いくつか、具体的な例でみてみましょう。
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なぜこの事業を展開しているのか
- 例:ある製造業の会社では、創業者が「地域の雇用を守りたい」という想いから事業を始めました。その想いを社員全員が共有し、地域貢献活動にも積極的に参加しています。
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どんなお客さまの笑顔を創出したいのか
- 例:あるサービス業の会社では、「お客さまの笑顔が私たちの喜び」という理念を掲げ、社員一人ひとりが顧客満足度向上に努めています。定期的に顧客アンケートを実施し、フィードバックを元にサービス改善をおこなっています。
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社員とどのような未来を築きたいのか
- 例:あるIT企業では、「社員の成長が会社の成長」という考えのもと、社員のスキルアップ支援に力を入れています。定期的な研修や資格取得支援制度を設け、社員が自分のキャリアを築ける環境を提供しています。
このような「想い」を、経営者自身の言葉で語れる企業は強く、それが求職者に伝われば、「この企業で働きたい」と感じる若者は必ず存在するでしょう。企業理念は、単に見栄えの良いスローガンではありません。私たちは何のために働き、どのような企業を目指すのか。それを明確に言語化することで、企業という場が「働くことを通じて生き方を問える場所」へと昇華します。
迷ったとき、「私たちはこのような想いで事業を続けてきた」と立ち返れる軸がある。その積み重ねが、「うちならでは」と自信を持って言える強さに繋がるのではないでしょうか。私自身、企業支援を通じて多くの経営者の方々と対話する機会を得てきました。その中で感じるのは、どの企業にも「語るに値するストーリー」があるということです。
創業の想い、大切にしてきた仕事観、社員との関係、地域への想い——。 それを丁寧にすくい上げ、言葉にしていくことで、組織の空気が変わり始めます。
理念やパーパスは、「つくるもの」ではなく「見つけるもの」。 だからこそ、自分たちらしい働き方・生き方を言葉にするプロセスこそが、これからの時代の経営には欠かせないのだと感じます。 「うちはこういう想いでやっている。」 その一言が、人を惹きつけ、組織をまとめ、未来の仲間を引き寄せます。
採用難・定着難の時代だからこそ、「何をやるか」よりも「なぜやるか」を伝えることが、これからの経営には求められています。 経営者の“言葉”には、組織の方向性を示し、人の心を動かす力がある、といつも感じます。
みらいコンサルティンググループでは、お客さまの事業が『働く』を通じて誰かの人生を創造していく場となるようご支援しています。そのような覚悟を持って経営に取り組むお客さまこそが、次世代にとっての『憧れ』となり、持続的な成長を実現できると確信しています。
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