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8tips社員が幸せな経営

2024.11.28
社員が幸せな経営

人材確保を実現するための視点

人材確保を実現するための視点…

経営者が感じる最重要課題は「人材の強化」

現代の日本の経営者の最大の関心事は何でしょうか?
恐らく多くの方が「人材」と答えるのではないでしょうか。

日本能率協会の調査によれば、経営者が認識する「企業が当面する経営課題」という質問に対して最も多かった回答は「人材の強化(採用・育成・多様化への対応)」でした。

最も貴重な経営資源は金(カネ)ではなく人(ヒト)。自社にフィットした人材を確保することの方が、事業の収益力を高めることよりも経営者にとっては重要で関心度が高い。

アンケートの結果は、社会人の誰もが「そうだよね」と思っていることを明示してくれています。

 

人材の確保に向けたファーストステップ

「人材の確保」という問題を解決することの難しさのひとつは、問題の要因が見えにくく、関わる人それぞれの勘や経験、価値観などに基づいてバラバラに課題や解決策が語られがち、という点ではないでしょうか。

こうした難しさを解消するためのひとつの方法として、“従業員満足度調査”や“ストレスチェック”といった「組織診断」に取り組むことも有効だと私は考えています。

診断をおこなうことによって見えにくかった組織の現状が数字によって可視化され、課題の解像度が高まります。診断の結果を組織の中で共有することで、勘や経験に頼った議論から一歩抜け出し、具体的な数字・事実に基づいた議論ができるようになることは大きな前進だと思うからです。

 

働く人のモチベーションの仕組み

こうした組織診断をおこない、従業員の定着やモチベーションについてお客さまと課題の解決について話し合うときに、私がお客さまと共有するのがアメリカの心理学者フレデリック・ハーズバーグの「二要因理論」です。

私は働く人のモチベーションを構造化したこの論理を初めて聞いて「なるほど、そういうことか!」と目から鱗が落ちました。  

 ハーズバーグは働く人の仕事に対するモチベーションを二つの要因に分けています。ひとつは仕事の満足度を高める「動機付け要因」です。もうひとつは仕事に対する不満足に影響する要因で、ハーズバーグはこれを「衛生要因」と名づけました。

ハーズバーグのいう「動機づけ要因」とは、仕事の内容そのものや、成果に対する承認、成長や自己実現、仕事に対する達成感や責任といったものです。

一方で、「衛生要因」とは職場環境(安全や衛生)、給与や福利厚生といった待遇、職場の人間関係、会社の方針や管理といったものです。

二要因理論が独特で面白いと感じられるころは、満足度を高める「動機づけ要因」と不満足に影響する「衛生要因」はそれぞれ別々のもので、「動機づけ要因に働きかけ、満足度を高めても不満足は埋まらない」、その逆に「不満足に影響する衛生要因に働きかけても、仕事に対する満足度は高まらない」という点です。

例えば、「衛生要因」である待遇や職場環境に働きかけ続けたところで、モチベーションはなかなか高まりません。 給与を上げ続けても、真の仕事の満足度は高められないということです。

一方で、「動機づけ要因」である“成果に対する承認”や“仕事を通じた成長”に働きかけても、不満足を埋める「衛生要因」の問題が大きければ、取り組みの効果は半減してしまうでしょう。

そういう意味では、まずは「衛生要因」が不満足を生まない程度まで高められているかを確認した上で、「動機づけ要因」に働きかけるというのが、効果的に成果を生み出すためのステップと考えられます。

 

最後に

現代において最も貴重な経営資源である「人材」を確保することは、経営の最重要テーマです。

勘や経験に頼らず、組織診断のような現状の可視化を通じて課題を具体化する。働く人のモチベーションの仕組み・考え方を共有した上で課題の解決策を実行する。

人材確保に向けたそんなサイクルを実現できれば、成長に必要な強い経営基盤をつくることができると思います。もし自社の取り組みにおいて気になる点などがございましたらお気軽にご相談ください。

 

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