8tipsSDGsと経営
持続可能な組織づくりの鍵は「価値」にあり
組織が持続的に成長し続けるにはどうしたらいいのでしょう。経営者や組織のリーダーであれば、誰もが思う課題ではないでしょうか。その一つの鍵は、組織の持つ「価値」に着目することにありそうです。
近年高まる「価値」への意識
「私の会社(組織)の価値を一言でいうと?」この問いに即座に答えることができるでしょうか。これまで多くの組織のお客さまのブランド構築やプロモーションをご支援させていただきましたが、この問いにすぐに答えていただけることはそう多くはありませんでした。そもそも「自社の価値」を考える機会がほとんどない、というのが実情ではないでしょうか。経営者もリーダーも、そして一人ひとりの社員さんも、毎日自身の業務に精一杯。それが特に中堅中小企業の現状かもしれません。
しかし、うかうかしていられない時代が来ています。Z世代と呼ばれる学生たちは、条件や待遇よりも「社会への提供価値」に共感して就職する会社を選ぶ傾向が強いといわれています。価格や技術だけではなく「どうしてこの商品が生まれたのか」「誰が作っているのか」「それはフェアなトレードで作られた商品か」など、商品やサービスの背景にある「物語」に共鳴して購入する「エシカルな消費者」が現実に増えています。日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)の調査によると、2022年3月末時点でのサステナブル投資合計額は493兆5977億2900万円、総運用資産残高に占める割合は61.9%(前年比+0.4ポイント)となり、サステナブルな経営に共鳴する投資が主流となっています。つまり、人も物もお金も、「価値への共感」によって選ばれ、集まる。そんな時代が来ているようです。
「価値への共感」を基軸に組織を見つめ直す
持続的に成長する組織であり続けるには、少し視点を変えてみる必要がありそうです。
たとえば、採用説明会では求職者に向けて何を語っているでしょうか。もしかすると、会社の規模や売上、技術やサービスなど「他社と比較されやすい情報」だけを伝えていませんか?なんのためにその技術は生まれたのでしょうか。どんな人がどんな思いで働いている会社なのでしょう。求職者とともに作り上げたいのはどんな未来なのでしょうか。共感を呼ぶメッセージを練り上げ、それを伝えてはいかがでしょうか。
商品やサービスを「売り込もう」と考えてはいないでしょうか。価格や技術だけでは、次々に比較され、類似のものが出てきて、ヒット商品は生まれにくい世の中です。その商品を生み出した時の使命を今一度思い返し、それを使う方たちには何をもたらすものなのか、その「物語」を整理して伝えれば、きっと、共感者=ファンが増えてくるはずです。
変化する時代の中で、新しいビジネスを生み出すことに苦労してはいないでしょうか?ぜひ、自身の持っている強みや良いところを改めて掘り下げて、社会の課題やニーズと結びつけてみてください。持続可能な未来に貢献できる新たな仕組みが生まれたり、同じ志を持つ共感し合える相手とコラボレーションが始まるかもしれません。自社の持つ技術、人材、お客さまなど経営資源を整理してSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)の17項目と照らし合わせてみるだけでも、新たな使命とビジネスチャンスを見つけ出すことができるかもしれません。
「自身を知る」ことから始まる価値経営
多くのお客さまと「組織の持つ本当の価値」を一緒に考えさせていただいた経験からいえることは、その第一歩は「自身を知る」ことにあると感じます。あたり前と思っておこなっている日々の業務の中に、価値の原石が眠っているかもしれません。何も語らない社員さんの中に、本当は熱い情熱が沸々と湧き上がっているのかもしれません。もしかするとお客さまは、商品ではなくその背景にある物語や志を買ってくださっているのかもしれません。
皆さんの会社が存続し続けているのには、必ず理由があります。価値があるから、お客さまに支持され、経営が持続しています。その理由=価値を改めて見つけ、整理し、さらなる未来につなげていく。持続可能な経営の源となる「自身の価値」を今一度見つめてみませんか?
みらいコンサルティンググループでは、「価値発掘プロジェクト®」を通じて、お客さま企業が潜在的にもつ価値を一緒に掘り起こす支援をおこなっています。採用がうまくいかない、事業の承継が思った通り進まない、そんなお悩みがある方も一度「自身の価値」を見つめなおし、本当に伝えるべき価値を言語化してみることをおすすめします。
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