8tips右肩上がりの経営
基本を徹底する!プロサッカーから学ぶ成功の秘訣
2024年のJリーグが開幕しました。注目の一戦は、J2から昇格した東京ヴェルディと横浜F・マリノスの対戦でしたが、これは、30年前にJリーグが始まった際の初試合と同じ組み合わせであり、30年前にこの試合をテレビ観戦していた私にとっては、30年という月日をしみじみと感じさせられる瞬間でした。
また、J2で優勝しJ1へと昇格したFC町田ゼルビアも大きな話題を呼んでいます。特に前年15位からの急転直上での優勝は、新しく就任した黒田監督の指導が功を奏したとされています。黒田監督は、高校サッカー界で名を馳せた後、プロの世界へとステップアップ。批判も多いなか、チームを優勝に導きました。
その成功の秘訣について、黒田監督はインタビューで下記のように答えています。
「昨シーズンの50失点をすべて見返して、チームの「悪い習慣」を細部にわたり考察し、ある程度改善できたことが大きいです。
今やっていることがJ1で通用するかどうかは別の問題として、今のJ2では自分なりの分析で失点を振り返ることにより、プロ選手なのに高校生よりも周知されていない点、いわゆる基本的なプレー(原理原則)が徹底されていない点が多く見受けられました。もちろん、プロですから高校生より優れている点は多々あります。その指導の過程で高校生でもプロ選手でもマネジメントの方向性は同じだという私自身の気づきもありました。
プロだからこそやり切れていないことがあったり、緩いトレーニングが習慣化していたり、人によってはプレーに対する態度が横柄になっているところもありました。プロという根拠のないプライドが邪魔をして、基本的なことを習得する柔軟性や思考力が欠落している状態もあったことでしょう。
分かりやすくいえばクルマの運転と同じです。免許取り立ての若葉マークの頃は基本に忠実に運転しますが、数年経つと、例えば安全確認を怠ったり、制限速度を守らなかったり、緊張感が欠落するものです。そうすると、大きな事故に繋がる可能性は高くなります。ディフェンスの原則も同じです。プロの選手でも何年か経つと、状況確認やリスク回避を怠ったり、また守備時にマークを外しても誰かが何とかしてくれるだろうと、少しずつ責任感が緩くなっていきます。それが失点の原因となり、改善不能な習慣として根付いていくのです。」
出典:GOETHE https://goetheweb.jp/person/article/20230518-kurodago
黒田監督の話は、 ビジネスの世界にも通じる教訓を含んでいます。多くの企業が直面する成長の阻害要因は、「基本的なことができていない」というシンプルな理由から起こります。たとえば、日常的な業務の徹底、挨拶、遅刻のないこと、効果的な営業活動など、基本的な活動の積み重ねが、企業成長の鍵を握っています。
日本の上場企業、時価総額でTOP5に入る2社にトヨタ自動車とキーエンスがありますが、トヨタ自動車は「改善」、キーエンスは「営業プロセス」の文化が他社ができないレベルで習慣化されていることで知られています。
いい企業とは、「誰にでもできない難しいことをやっている」のでなく「誰にでもできる当たりまえのことを誰にでもできないレベルで徹底している」のです。
黒田監督の指導哲学と、企業の成長戦略に共通するのは、基本に忠実であることの重要性です。プロ選手であっても、基本的なプレーの徹底が欠如していると、時間が経つにつれて緩慢な態度や習慣が根付き、大きな失点や事故に繋がるリスクを高め、最終的には改善が難しい状態に陥ってしまうこともあります。基本に立ち返り、それを徹底することが、あらゆる分野で成功への鍵となる、その観点で一度自社を見直してみてはいかがでしょうか。もちろん、私たちみらいコンサルティンググループ自身もそうしなければいけないと思いますし、お客さまへのご支援もおこなってまいります。
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