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2022.10.06
最大効率の経営

営業での脱属人化のススメ

営業での脱属人化のススメ…

当社がおこなう経営者さま向けのセッションで、「ありたい姿」から現状の営業に関する課題を質問すると、「今は営業もよく頑張っているので、特に変える必要はないんだよね。」という話をよくおっしゃられます。

しかし、さらに経営者の気持ちを少しずつ深掘りしていくと、最後には「本当は、属人的な営業スタイルで困っているだよね。」と本音をこぼしてくれることがあります。

 

今、足元は売上好調ではあるものの、「属人的な営業」になっている中小企業でよくみられる事象は以下のとおりです。

・営業部長など特定の人の売上のシェアが高い

・ルート営業先が多く、新規取引先が少ない(BtoBの場合)

・20代の若手がいない、辞めてしまう、活躍できない

 

経営者の方に、「10年後の営業体制はどうなっていますか?」と伺うと、「このままみんな10個年を取ることになるね。。。」と、実はしっかりおわかりいただいています。さらに、「10年後どのような営業体制であれば会社にとって価値がありますか?」と伺うと、「営業をデジタル化して、若手がどんどん活躍している」と答えていただけるのです。

 

このことからわかるのは、「経営者は属人的な営業をやめたいけど、どうやって変えたらいいかがわからない」ということではないでしょうか。

 

流行りのDXを活用することも大事なのですが、営業をテジタル化する前にぜひともおススメしたいのが「営業の型作り」です。

言い換えれば、営業に「再現性」を持たせ、トップ営業がいなくても会社が成り立つようにすることで、営業にいわゆる「守破離」の「守」を作る、ということです。

 

営業に再現性を!

今回は、営業の再現性を高めるためにやるべきこととして、以下3つをご紹介します。

 ①「失注」の理由を分析する

 ②引き合い前の「勝ち筋」の行動を見つける

 ③経営者が変革の先頭に立つ

 

①「失注」の理由を分析する

そもそも営業というものは、受注する確率より、失注する確率が多いものです。つまり、失注する事例の方が多く存在するはずですから、その事例を集めて、なぜ失注したのかを分析して、次に活かしていくことが大切です。

言い換えれば、「受注のやり方」より「失注しないやり方」を組織が身につける方が会社全体への貢献は高くなるということです。

 

実際に、トップ営業の成功事例を聞いても、その人しかできないことが多く、マネをしたくてもできないものですが、“普通の営業”が失敗した事例は多数存在します。そういった事例を集めて、同様の失敗をしないようにしていくことで、“普通の営業”でもできることが多くなり、成功に向けた再現性が高まることにつながるのです。

 

すなわち、「トップ営業を作る」ことではなく、「普通の業績が出せる営業人材を増やす」ことを営業方針として決めることが大事ということです。

 

しかし、この考え方をすすめるにあたって、ひとつ障害があります。

営業の一般的な行動パターンとして「いい成功事例は喜んで共有するが、失敗事例は話さず、隠す」というものがあります。

経営者自ら失注体験を話すなど「失注は会社の財産である」という意識、話しやすい風土を醸成していく必要があります。

 

②引き合い前の「勝ち筋」の行動を発見する

再現性アップに必要なものの一つが「引き合い」を増やすための「行動」を発見することです。

トップ営業は必ず、他の営業と違う行動をしています。無意識にやっていることが多いので、第三者がその行動をヒアリングし、「引き合い」前にやっている行動を見つけてあげることも大切です。

行動とは、例えば、「一日何件の電話アポをする」や「一日何件顧客訪問をする」などです。営業を知っている人からすれば「当たり前」のことですが、その「当たり前」が出来ないから売上が上がらないということもあるのではないでしょうか。

例えば、営業会議で「引き合い前」のプロセスの議論をせず、「引き合い後の受注確度をどうあげていくか」の話ばかりをしていると、若手の営業は「引き合い前にどういう行動をしたら引き合いが増えるのか」という大事なことに気づくことができません。

会議や管理資料も「引き合い後の受注確度」だけでなく、「引き合い前のプロセス管理」をしていくことをおススメします。

 

③「経営者」自らが変革の先頭に立つ

上記のようなプロセス変革は、現場の営業からしたら面倒なものです。特にそれなりに売上を上げている中間層メンバーからしたら、「私はやっているのに、なんでそんなことをする必要があるのか」と感じてしまうものです。場合によっては、「当期の売上が下がったら、自分の給与が下がってしまう」とも感じる方もいるでしょう。

営業だけの話ではないですが、10年後の体制を意識して変革できるのは「経営者」しかいません。経営者自身が「自社の将来のために必ずやらなけれならない」という強い気持ちを持って対応すれば、体質も変わり、若手も育ち、雰囲気が変わるものです。

 

いかがでしょうか。営業分野における脱属人化は、再現性を高め、当然その先には、営業DX(デジタルによる変革)も待っています。できるところからで結構ですので、ぜひ「営業の型づくり」をしてみてはいかがでしょうか。

 

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