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ストーリーで消費者の心を揺さぶる

ストーリーで消費者の心を揺さぶる…

最近は消費者が商品を選ぶ際に、単に機能や品質、価格だけでなく、その商品や企業が持つ「ストーリーへの共感」が意識されるようになってきました。特に嗜好性の高い商品にその傾向が強く見られます。今回はBtoBからBtoCのマーケットを開拓し収益力を高めることに成功したお客さまの事例をご紹介します。

 

このお客さまは調味料を製造し、主に飲食業者向けに販売しています。飲食業界では高い品質で認識されており、長年愛され続けている商品です。ただ、売上は伸び悩んでいたため、社員が身内で使っていて好評なことをヒントに、せっかく良い商品なのだから消費者にも展開したらどうかという話になりました。さっそくホームページでのインターネット販売を始め、また卸売業者にも営業をかけていきました。

しかし、あまり反応は芳しくありませんでした。その理由は、第一に、これまで業者向けに販売してきたことから、中身の品質に意識はいくものの、見た目のパッケージは気にしていなかったため、お世辞にもセンスがよいとはいえなかったこと。そして、第二に、飲食業界では有名であっても一般消費者には商品名はもとより企業名もほとんど知られていなかったことです。

そこで、まず、パッケージを変更しました。デザイナーに依頼しておしゃれなデザインに変えたのですが、ボトルやラベルにも「品質の高さ」を想起するように工夫をしました。また、創業から長い間作り続けてきた歴史、地元の食材を中心に厳選した原材料、こだわり続けてきた製法など「商品のストーリー」を付けて販売しました。特に、そのストーリーについては、自社ではあたり前のことだったようですが、私たちのような外部のひとたちから見れば非常に魅力的であり、価値あるものとしてあえてストーリーとして提示するようご提案させていただきました。

結果として、卸売業者や小売業者に興味を持ってもらえるようになり、メディアにも取り上げられるなど、店頭やインターネットでの販売が順調に伸び始めました。また、高品質を訴求することで販売単価を上げることにも成功し、現在では収益力の柱の1つになるまで成長しています。

 

このように、商品の背景や作り手の想いなどを物語として消費者に訴求することをストーリーマーケティングといいます。これだけ様々な商品があふれる今日では、機能や品質を説明するだけでは手に取ってもらえなくなってきています。特に嗜好性の高い商品の場合、消費者の感情を揺さぶること、そして消費者にとって単にモノを消費するだけでなく、作り手のプロセスをコトとして体験する感覚にさせることが、商品の訴求力を高める1つの方法といえるのではないでしょうか。

 

みなさまの会社でもよい商品づくりをされていることと思いますが、これまであたり前のこととしてとらえていたところに、もしかしたら価値が眠っているかもしれません。それを買い手に伝えないのはもったいないことです。ぜひストーリーとしての展開を考えてみてください。みらいコンサルティングでは企業や商品の価値の再認識といったご支援もおこなっていますのでお気軽にお問い合わせください。

 

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