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  2. 産業構造の転換期における中堅中小企業の成長戦略とは

8tips右肩上がりの経営

2024.11.21
右肩上がりの経営

産業構造の転換期における中堅中小企業の成長戦略とは

産業構造の転換期における中堅中小企業の成長戦略とは…

自動車産業は今、大きな変革期を迎えています。世界のEV市場では、中国製のバッテリーが価格面で強い競争力を持っています。一方、日本ではハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)がまだ人気で、EV市場が盛り上がっているとは言い難い状況です。しかし、この状況を単にEVの普及が遅れている、と考えると本質を見誤るように思います。

 

変革に向けた新しい産業の動き

注目すべきは、各地域で新しい産業の仕組みがつくられている点です。たとえば、徳島県が進めている「バッテリーバレー構想」はその一例です。この構想は、バッテリー関連の産業を集めるだけでなく、地元の中小企業に、バッテリー部品製造やリサイクル技術開発のチャンスを提供しています。

また、京都府では、EVを中心にしたエネルギーの仕組みをつくろうとしています。従来の自動車部品メーカーがEVの充電インフラやスマートグリッド(電力を上手に使う仕組み)の開発に関わっており、EVとV2H(車両から家庭に電力を送るシステム)を組み合わせた新しい方法も進んでいます。これは、将来、東南アジア市場に広がる可能性もあります。

 

日本の中堅中小企業のこれから

こうした産業の変化は、自動車産業だけでなく、日本の中堅中小企業全体が抱える問題を示しているように思います。すなわち、かつての下請け型のビジネスモデルを脱却し、自立していく必要がある、ということです。

そのためには、地域の支援策を活用し、地域の研究機関や大学と連携することが大切です。また、同じ業界の他社と協力したり、デジタル技術に強い若手を採用したり、幹部候補を早めに育てることも重要です。

新しい事業を始めるには、既存の取引のある分野に参加するだけでなく、今ある技術を使って新しい市場を開拓することも大切です。限られた資源を効率よく使うためには、どの分野に投資するかをしっかり決め、今の事業に集中して研究開発を進めることが求められます。社員の創造性を引き出し、実際に経験を積むチャンスをつくることも必要です。

また、パートナーシップの強化も欠かせません。地域企業との協力や、産学官の連携を進め、サプライチェーン(部品供給の流れ)を見直すことが、新しい価値を生み出すための基盤になります。

 

変革時代、成功のポイント

変革の時期に成功するためには、スピードと実行力が重要です。中小企業は、大企業に比べて意思決定が速いという強みがあります。この強みを活かし、素早く事業を進めることができれば、大きなメリットになります。

今こそ、中小企業の経営者は未来を見据えて大きな決断をする時ではないでしょうか。自社の強みを活かした戦略を立て、変化の必要性を理解し、全社員を巻き込んで取り組む体制をつくることが大切です。早い段階で行動を起こし、変革を始めることが、企業の持続的な成長のカギとなるのです。もし、決断のための方向性を検討したい、など、ご希望がありましたら、ぜひみらいコンサルティンググループの担当者にお気軽にお声がけください。

 

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